こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
人生100年時代、予防歯科・健診の意識が高まっています。
しかし、歯が痛くなって初めて歯科医院に行く方も多いでしょう。削った歯や失った歯が、もとどおりに治ることはありません。そのため、歯に問題が起きないように定期的に歯科医院を受診し、健康な状態を維持することが予防歯科の目的です。
今回は、予防歯科の概要やメリットを解説します。予防歯科の内容や通う頻度、自宅でできる口腔ケア方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
予防歯科とは?
予防歯科とは、歯が痛くなってから治療する歯科治療とは異なり、歯を健康に保つために定期的に歯科医院に通って、虫歯や歯周病にかからないようするものです。
高齢になっても健康な歯を保っている方が多い北欧などでは、すでに予防歯科が非常に一般的です。予防歯科に通うと、治療の痛みが減る、見た目の印象がよくなる、年齢を重ねてもご自身の歯で噛めるなど、多くの利点があります。
歯科治療先進国として知られるスウェーデンでは、虫歯や歯周病は「治すもの」ではなく「予防するもの」と捉えられています。治療よりも予防に力をいれている歯科医院が非常に多いのです。
日本では、歯科医院は「痛い、怖い場所」というイメージを持つ方が多いでしょう。予防歯科が中心のスウェーデンにおける歯科医院のイメージは「きれいいな歯を保つための心地よい場所」というものなのです。
歯を失う原因
歯を失う原因として代表的なのは、虫歯や歯周病でしょう。ほかにも、薬物(アルコール含む)、タバコ、全身疾患、歯ぎしり、そして事故や外傷が挙げられます。
虫歯とは、虫歯菌が歯垢(プラーク)を栄養に増殖し、酸を作り出して歯を溶かす病気です。歯周病とは、歯茎の感染症で、歯を支える骨や歯茎に炎症が起きる病気です。炎症の原因は歯周病菌で、虫歯菌と同様に歯垢の中にいます。
歯周病が進行すると歯の周囲の骨が溶け、歯が抜けるでしょう。
虫歯や歯周病の主な原因は、以下のとおりです。
不適切な歯磨きと歯間ケア
歯垢や食べかすが歯の間に詰まると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯磨きを丁寧に行っていない方や、歯間ケアを行っていない方は、歯を失う可能性が高いといえるでしょう。
食習慣
甘い飲食物を頻繁に摂取すると、虫歯のリスクが高まります。
砂糖は、歯の汚れである歯垢を作る大きな原因です。歯垢とは、歯の表面に付着する細菌の塊です。歯垢の中で細菌が砂糖を分解して酸を作り、歯を溶かして虫歯となります。
また、ダラダラと食べ続けるなどの不適切な習慣も、虫歯のリスクを高めます。唾液による酸を中和する働きが追いつかなくなり、虫歯になるのです。
予防歯科のメリット
予防歯科では、さまざまなアプローチを通じて口腔衛生環境を改善し、虫歯や歯周病のリスクを減らします。
定期的に歯科検査を行うことで、虫歯や歯周病を早期に発見し治療できます。早期に治療できれば、歯を失う可能性を低減できるでしょう。噛む能力を維持することで、身体や脳に刺激が送られ、認知症の予防にもなります。
予防歯科を受けていれば、虫歯や歯周病になった場合も治療を最小限に留められます。治療に伴う痛みや出費を最小限に抑えられるのです。
また、予防歯科に通うことで、きれいな歯を維持できます。きれいな歯は清潔で健康な印象を与えるため、自信にもつながるでしょう。
予防歯科の内容
予防歯科の内容は、検査・診断、歯科医院で受けるプロケアと患者さまご自身の歯磨き、生活習慣の見直しによるセルフケアに分かれます。それぞれ確認しましょう。
検査・診断
検査・診断の内容は、以下のとおりです。
口腔内検査
歯や歯茎の状態を確認し、お口の中の細菌数の計測なども行います。一人ひとりに合った治療計画を立てるのです。
定期的な歯科検査
虫歯、歯周病などを早期に発見し、治療します。
プロケア
プロケアの内容は、以下のとおりです。
スケーリング
スケーラーという器具を使って歯石を除去します。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
専用機器を用いて、ふだんの歯磨きでは落とせない歯垢(プラーク)などを取り除きます。
フッ素塗布
高濃度のフッ素を歯に塗布する処置です。フッ素には歯質を強化する作用があり、塗布することで虫歯になりにくい歯を作れます。
また、フッ素には歯の再石灰化を促す働きもあり、塗布することでエナメル質の修復にもつながります。フッ素の塗布やフッ化物洗口液を使用すると歯が強化されるので、虫歯を予防できるでしょう。
セルフケア指導
セルフケア指導の内容は、以下のとおりです。
ブラッシング指導
毎日歯磨きをしていても、虫歯や歯周病になった経験がある方もいるのではないでしょうか。
正しいブラッシング方法を指導するほか、フロスや歯間ブラシの使い方を指導してブラッシングの質を高めます。
生活指導
食事の間隔や間食の習慣など、改善できる点があれば指導を行います。歯科医師や歯科衛生士の指導内容を踏まえて、生活習慣を改善しましょう。
予防歯科に通う頻度
予防歯科は一般的に3~6か月に一度の頻度で通うとよいといわれています。
しかし、最適なタイミングは患者さまによって異なるのです。歯科医師が患者さまの口腔健康状態を評価して適切なスケジュールを提案するので、相談しながら計画を立てるとよいでしょう。
自宅でできる口腔ケア方法!
予防歯科は歯科医師が行うプロケアと、患者さまが行うセルフケアの両方があって成り立ちます。自宅でできる口腔ケア方法を詳しく確認しましょう。
丁寧に歯磨きをする
毎日の歯磨きで、しっかりと汚れを落とすことが重要です。
歯ブラシで磨いたあとに歯間ブラシなどを使う方が多いですが、フロスや歯間ブラシを使ったあとに歯ブラシで磨いたほうが、歯垢除去率が高いことがわかっています。歯間の汚れを除去してから、フッ素入り歯磨き粉を使用してブラッシングすると、有効成分が歯間部まで行き渡るでしょう。
また、先にフロスから始めれば、フロスを忘れることを防げます。歯ブラシのみでは歯垢除去率は60%ですが、フロスや歯間ブラシを併用すれば80%まで上がります。
歯ブラシの使い方
歯ブラシの毛先を歯茎に向け、歯と歯茎の境界を丁寧に磨きましょう。力を入れすぎないように注意してください。歯ブラシを歯面に当てたとき、毛先が広がらない強さが目安です。
力を入れると歯茎が傷つきます。歯茎が下がって知覚過敏などの原因になるため、適切な力で磨いてください。
歯磨き粉の使い方
歯磨き粉は、フッ素入りのものを選ぶとよいでしょう。歯ブラシの3分の2ほど歯磨き粉を乗せるのが理想です。量が少ないと唾液で濃度が薄まり、フッ素の効果が下がるからです。
また、フッ素の濃度をある程度保つためには、歯磨き粉を使用したブラッシングは2〜3分が理想とされています。
歯磨き後のうがいの仕方
正しい歯磨き後のうがいの仕方は、以下のとおりです。
① ブラッシング後、歯磨き剤を吐き出す
②約15ml(大さじ1杯程度)の水で約5秒間すすいで吐き出す
多量の水でうがいをすると、フッ素が流れます。ガラガラうがいやブクブクうがいをすることでも、フッ素が流れるでしょう。
すすぎは大さじ1杯程度の水で優しく行い、フッ素を口内に留めることが重要です。
食習慣を見直す
食事の内容と頻度を決めて、規則正しく決められた時間に取りましょう。甘い飲食物をダラダラと摂取すると、虫歯のリスクが高くなるので避けましょう。間食は1日1回と決めてまとめて摂ると、虫歯のリスクを減らせます。
まとめ
今回は、予防歯科について解説しました。予防歯科はさまざまなメリットをもたらし、人生の質を上げてくれることがわかりました。
予防歯科をうまく利用して生活の質を上げ、長い人生を楽しみましょう。
予防歯科を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。