こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
歯列矯正にはさまざまな種類がありますが、近年では目立ちにくい矯正治療としてマウスピース矯正が注目されています。インビザラインも、マウスピース矯正の一種です。
ワイヤー矯正の治療期間は1年半~3年が目安とされていますが、インビザラインはどのくらいの治療期間が必要なのでしょうか。
今回は、インビザラインの治療期間や治療の流れ、治療をスムーズに進めるためのポイントを解説します。
目次
インビザラインとは?
インビザラインとは、透明なマウスピースを装着して歯並びを整える矯正治療です。1997年にアメリカで開発され世界中で広まり、日本でも2005年頃から導入されるようになりました。
マウスピース矯正の種類はいくつかありますが、もっともポピュラーな矯正装置といえます。
インビザラインでは、患者様の歯の状態に合わせてオーダーメイドでマウスピースを作成します。1枚のマウスピースで約0.25~0.35mm歯を移動でき、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換して歯並びを整えます。
段階的に歯を動かすため、ワイヤー矯正に比べると痛みが少ないことが特徴でしょう。
インビザラインは、矯正していることが目立ちにくいことが最大のメリットです。ワイヤーや金具のように目立たないため、矯正治療中の見た目を気にする方に適しています。
また、マウスピース型なので取り外すことができ、矯正前と同様の食事が可能です。ブラッシング時にも着脱できるので、虫歯や歯周病のリスクも軽減できます。
インビザラインの治療期間と流れ
インビザラインの治療期間には、個人差があります。軽度の不正咬合や部分矯正の場合は1年未満で完了することもありますが、全体矯正では1年半~3年程度かかる場合もあるでしょう。
インビザラインの治療の流れは、以下のとおりです。
カウンセリング
インビザラインは、すべての歯並びに対応しているわけではありません。歯の形状が特殊な場合や歯並びの乱れが重度の場合、インプラントの治療経験がある場合などは、インビザラインの適応外になる可能性があります。
まずはカウンセリングで口内の状態を確認し、インビザラインで治療可能か確認するのです。
精密検査
レントゲンやCT撮影などの精密検査を行います。精密検査の結果をもとに、今後の治療計画が立てられます。
検査で虫歯や歯周病が見つかった場合は、優先して治療するのが一般的です。虫歯治療で歯を削ると、作成したマウスピースが合わなくなる可能性があるでしょう。そのため、治療を行ってからマウスピースを作成します。
歯の型取り
インビザラインのマウスピースを作成するために、歯型を取ります。口腔内3Dスキャナーで歯の型取りを行い、データをアメリカのアライン・テクノロジー社に送ってマウスピースを作成してもらうのです。
マウスピースは3Dプリンター技術によって精密に作成され、1か月前後で歯科医院に届きます。
治療開始
マウスピースが歯科医院に届いたら、矯正治療が開始されます。1日20〜22時間マウスピースを装着し、1〜2週間程度で交換して治療を進めるのが一般的です。
マウスピースの交換は患者様ご自身で行うので、自己管理が重要な治療といえるでしょう。
経過観察
1~3か月に一度通院し、口腔内の状況を確認します。歯の移動状況を確認し、補助装置を取り付ける場合もあるでしょう。マウスピースを適切に使用できているかも確認するので、指導を受ける場合もあります。
治療完了・保定
個人差はありますが、矯正治療は1年半~3年ほどで完了します。
ただし、歯がもとの位置へ戻ろうとする後戻りが起きるので、リテーナーを装着して過ごさなければなりません。歯列を安定させるためにリテーナーを装着する期間を保定期間といいますが、保定期間にも個人差があります。
1〜2年とする歯科医院もあれば、矯正治療にかかった期間と同期間とする歯科医院もあります。歯の位置を安定させるために、歯科医師の指示に従ってリテーナーを装着してください。
インビザラインの治療期間の長さを決定する要因
インビザラインの治療期間は、短ければ数か月で終わります。
しかし、2~3年かかるようなケースもあるでしょう。インビザラインの治療期間の長さを決定する要因は、以下のとおりです。
抜歯の有無
抜歯をして大きなスペースを作らなければ歯並びを整えられないような症例では、矯正期間が長引く可能性があります。抜歯をすると歯を動かす距離が長くなるからです。
歯並びの悪さが重度な場合や、歯の大きさに比べて顎が小さい場合など、抜歯が必要になることがあります。
叢生
叢生とは、歯が重なり合ってガタガタしている状態です。八重歯も叢生の一種です。
叢生の場合は歯が本来あるべき位置から大きくずれているため、歯を大きく動かす必要があります。そのため、矯正期間も長くなる可能性が高いです。
虫歯や歯周病治療の有無
矯正治療を開始してから虫歯や歯周病になると、矯正治療を中断して虫歯や歯周病の治療を優先します。そのため、矯正治療の期間は長引くでしょう。
虫歯や歯周病がある状態で矯正を継続すれば、進行して抜歯が必要になるかもしれません。詰め物・被せ物が必要になる場合もあるでしょう。
マウスピースを作成したときの歯型と変わるため、マウスピースを作り直さなければなりません。矯正開始前にしっかり検査を行い、虫歯や歯周病は事前に治療することが重要です。
虫歯や歯周病があるとすぐに矯正治療に進めないので、治療期間が長くなるでしょう。
年齢
こどもの顎の骨は成長途中なので歯を動かしやすく、大人よりも矯正期間が短くなりやすいです。顎の骨の成長にあわせて矯正治療を行うことができるので、歯並びを整えやすいのです。
一方、大人は骨の成長が止まっているため、歯の移動に時間がかかります。
インビザラインの治療をスムーズに進めるためのポイント
インビザラインの治療をスムーズに進めるには、医師の指示を守ることが大切です。インビザラインの治療期間をできるだけ短くするために、治療中は以下のポイントに注意しましょう。
装着時間を厳守する
インビザラインの治療では、マウスピースを1日20〜22時間装着する必要があります。
装着時間が短くなれば治療計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びる原因になります。次のマウスピースへ交換した際に痛みや違和感が出ることもあるため、医師に指示された装着時間を厳守しましょう。
マウスピースは取り外しできますが、食事と歯磨きの時間以外は常に装着してください。
口内やマウスピースのケアをしっかり行う
口内ケアをしっかり行っていれば、スムーズに矯正治療が進みます。虫歯や歯周病にならないように、毎日のブラッシングを丁寧に行い、マウスピースも清潔に保ちましょう。
歯やマウスピースが汚れた状態のままマウスピースを装着すると、虫歯や歯周病の原因になります。
紛失しないように管理する
マウスピースを紛失すると、新しいマウスピースを作成しなければなりません。新しいマウスピースの作成には1か月程度時間がかかりますが、新しいマウスピースが届くまでは矯正治療が進みません。
マウスピースを取り外した際は、紛失しないように専用のケースなどで保管しましょう。
定期的に通院する
インビザラインはご自身で進める治療ですが、矯正治療中は定期的に通院する必要があります。歯列の状態を確認してマウスピースの調整などを行うのです。
治療計画よりも矯正が遅れている場合でも、早期に発見できれば追加治療をスムーズに行えます。歯の違和感や痛みがないからと自己判断で通院をやめるのではなく、医師の指示に従って通院を継続しましょう。
まとめ
インビザラインの治療期間には個人差がありますが、歯を全体的に動かす場合は数年かかります。目立ちにくい矯正治療なので、ワイヤー矯正に比べると負担は少ないでしょう。
ただし、インビザラインはマウスピースの装着時間や交換時期など、患者様ご自身が適切に取り組まなければうまく進まない治療です。治療計画どおりに進めるためには、医師の指示に従うことが重要です。
インビザラインを検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。