こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。

全部の歯を失った際の治療法としては、どのような治療法があるのでしょうか。入れ歯しかないと思う方がいるかもしれませんが、インプラントでも治療可能です。

全部の歯をインプラントにすることで、しっかり噛めるようになります。安定性がよいため、入れ歯のような異物感や話しにくさもありません。

今回は、全部の歯を失った場合にインプラント治療を選択するメリットについて解説します。デメリットや費用もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

全部の歯を失った場合の治療法

全部の歯を失った場合の治療法は、以下のとおりです。

入れ歯

入れ歯とは、歯茎の型を採って歯茎の型に合わせた入れ歯を作成し、すべての歯を補う治療法のことです。歯茎の型を採るという比較的簡単な作業で歯を補えるので、幅広い方が治療を受けられます。

入れ歯は保険でも自費でも治療が可能ですが、保険診療を選択すれば費用を抑えられるでしょう。自費診療の場合、審美性や機能性などを追求できます。

入れ歯は取り外せるため清掃しやすいですが、安定感が悪いです。異物感や噛みにくさがあるなど、使い心地は決してよいとはいえません。

特に、上顎の入れ歯の場合、歯茎の大部分を入れ歯で覆います。異物感や嘔吐感・気持ち悪さなどが生じやすいでしょう。

インプラント

インプラントとは、歯を失った部分にインプラント体を埋め込み、上に人工歯を装着する治療法のことです。

顎の骨に歯根の代わりとなるインプラント体を直接埋め込むため、入れ歯よりもしっかり噛めるようになります。また、顎の骨を支えにするため、異物感や話しにくさなどがありません。

しかし、インプラント治療は外科手術を伴うため、持病のある方は治療が受けられないことがあります。治療にかかる期間が長く、費用の負担が大きいことがデメリットです。

全部の歯を失った場合にインプラント治療を選択するメリット

全部の歯を失った場合に、インプラントを選ぶことで得られるメリットを確認しましょう。

しっかり噛める

インプラントでは顎の骨にインプラント体を埋め込むため、入れ歯よりもしっかり噛めるようになります。ご自身の歯で噛むときの力と比べると、総入れ歯は10～20％程度の噛む力しかありません。インプラントはご自身の歯と同程度といわれています。

安定性があり使い心地がよい

入れ歯は安定性が悪く、口をすぼめると外れることがあります。擦れて痛みが出ることもあるでしょう。

インプラントは顎の骨にインプラント体を埋め込んで歯を補うため、ご自身の歯のようにしっかり噛めるだけでなく、外れるなどの不快感がないことがメリットです。

発音しやすい

入れ歯は歯茎を支えにするため、歯茎を覆う部分が多くなることで滑舌が悪くなりやすいといえます。

特に、上顎の総入れ歯の場合、上顎が大きく覆われます。こもったような声になるなど、ストレスを感じるかもしれません。

インプラントは歯茎を覆う必要がないため、発音のしづらさを感じることはないでしょう。滑舌に影響を与えることもなく、ふだんどおり話せることがメリットです。

見た目が美しい

保険の入れ歯の場合、プラスチックを使用することが多いため、経年劣化で変色することがあります。

インプラントの人工歯には、セラミックを使用することが多いです。色味や艶をご自身の歯に近づけられるので、非常に見た目が美しいことがメリットです。

また、保険の入れ歯よりも丈夫で長持ちしやすいため、インプラントは審美的にも機能的にも優れた治療といえるでしょう。

顎の骨の吸収を抑える

歯を支える顎の骨は、上下の歯が噛み合う刺激によって維持されます。そのため、歯を失ったあとの顎の骨は徐々に吸収されるのです。

入れ歯で噛めるようになったとしても、入れ歯で噛む刺激は顎の骨には伝わりません。インプラントは顎の骨に直接埋め込むため、噛む刺激が伝わり顎の骨の吸収を防げるのです。

全部の歯を失った場合にインプラント治療を選択するデメリット

インプラント治療には多くのメリットがありますが、全部の歯をインプラントにする場合はデメリットもあります。

外科手術が必要である

インプラントは麻酔を伴う外科手術が必要になるため、健康状態が悪い方や持病がある方は治療を受けられないことがあります。特に、糖尿病や高血圧、骨粗しょう症の方は、症状や服用している薬の影響で、術後の経過が悪い場合やインプラントが結合しにくい場合があるでしょう。

持病のある方でも、かかりつけ医の許可が下りれば治療を受けられることがあります。インプラント治療を検討している場合は、しっかりと相談しましょう。

費用が高い

インプラントは保険適用の治療ではないため、全額自己負担になります。そのため、保険適用でも治療できる入れ歯と比べると、インプラント治療にかかる費用は高額になることがデメリットです。

特に、インプラント治療はインプラントを埋入する本数が多くなればなるほど費用がかかる傾向にあります。全部の歯をインプラントで補う場合、経済的な負担になるでしょう。

治療期間が長い

入れ歯の治療期間は平均して1～2か月程度ですが、インプラントの治療期間は平均して6か月～1年程度と長期間にわたります。顎の骨とインプラント体の結合を待つ期間などが必要なためです。

全部の歯のインプラント治療法

全部の歯をインプラントにする場合、1本1本インプラントを埋入する方法も選択できますが、費用も身体的負担も非常に大きいため、現実的ではないでしょう。

全部の歯をインプラントにする場合、インプラントオーバーデンチャー、もしくはオールオンフォーを選択するのが一般的です。1本1本インプラントを埋入して全部の歯を補うよりも、インプラントの埋入本数が少ないため、通常のインプラント治療よりも費用や身体的負担を抑えられます。

インプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャーとは、2〜4本のインプラントで入れ歯を支える治療法のことです。入れ歯に取り付けたボタンや磁石で入れ歯を固定するため、通常の入れ歯よりも安定性が高いことがメリットです。

安定性が高いので、通常の入れ歯に比べると小さく作成できます。歯茎を大きく覆う必要はありません。入れ歯のような異物感や気持ち悪さ、発音のしにくさを軽減できるでしょう。

また、通常の入れ歯のように取り外しできるため、ご自身でケアしやすいこともメリットです。

インプラントオーバーデンチャーは、インプラントと入れ歯のメリットを併せ持った治療法といえます。

オールオンフォー

オールオンフォーとは、最小4本のインプラントで12本の一体となった被せ物を支える治療法のことです。

一般的なインプラント治療の場合、全部の歯をインプラントで補おうとすると8～14本程度必要になるため、非常に高額な費用がかかります。オールオンフォーは最小4本という少ないインプラントで12本の歯を再建できるので、費用も身体的負担も抑えられるでしょう。

オールオンフォーは12本のつながった被せ物であるため、取り外しはできません。歯茎を覆うことがなく、使い心地がよいことが最大のメリットです。

また、通常のインプラント治療は骨量が少ない場合、別途外科手術が必要になる場合があります。

しかし、オールオンフォーは骨が丈夫な部分を選んでインプラントを埋入するため、適応できる可能性が高いでしょう。

全部の歯をインプラントにする場合の費用

全部の歯をインプラントにする場合の費用は、治療法によって異なります。

• インプラントオーバーデンチャー：500,000～1,500,000円
• オールオンフォー：2,000,000～4,000,0000円

インプラント治療は、インプラントを埋入する本数によって費用が変動します。

オールオンフォーで埋入するインプラントの本数は最小4本、6本程度のこともありますが、インプラントオーバーデンチャーは2〜4本です。そのため、インプラントオーバーデンチャーはオールオンフォーよりも費用が抑えられるのです。

また、インプラント治療にかかる費用は歯科医院によって異なります。全部の歯をインプラントにする場合にかかる費用を詳しく知りたい方は、歯科医院を受診して相談しましょう。

まとめ

全部の歯を失った場合にインプラント治療を選択する最大のメリットは、ご自身の歯のようにしっかり噛めることです。

インプラントは入れ歯よりも安定性が高く、発音のしづらさに悩むことはないでしょう。外れる・擦れるなどのトラブルも起きにくいので、全部の歯を失ってもしっかり噛みたい方や長年入れ歯を使用していて悩んでいる方に適しています。

全部の歯をインプラントにする場合は、インプラントオーバーデンチャーやオールオンフォーを選択するとよいでしょう。

インプラント治療を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。