こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
食事をするときは、20本以上の歯があれば不自由さをほとんど感じないといわれています。平成元年に、政府は「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という8020運動を発表しました。
平成28年に厚生労働省が実施した「歯科疾患実態調査」では、80歳で20本以上の歯を保っている人の割合は51.2%と判明しています。運動の達成率としては低くないように感じますが、80歳の方のおよそ2人に1人はご自身の歯が20本未満ということです。
誰しも、ご自身の歯を失わずに健康に過ごしたいと思うでしょう。ご自身の歯を守るための基本は歯磨きです。
今回は、正しい歯磨きの仕方や歯磨きをするタイミングについて解説します。歯ブラシの選び方や歯ブラシ以外の補助アイテムもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
歯磨きの重要性
歯磨きを怠ると引き起こされる代表的な病気は、虫歯・歯周病です。一度は虫歯に苦しんだ経験がある方が多いのではないでしょうか。歯を失う原因として最も多いのは、歯周病です。
歯磨きでしっかり口腔内の汚れを落とすことができれば、虫歯や歯周病を予防できるでしょう。
口腔疾患による影響は、口腔内だけに留まりません。認知症や脳卒中、心筋梗塞などのリスクを高めることがわかっています。
妊娠中の歯周病も注意が必要です。歯周病の発見や治療が遅れた場合、早産や低出生体重児のリスクが高まるためです。妊娠中はつわりや体調不良の影響で歯磨きが難しくなる方も非常に多いですが、口腔内を清潔に保つ必要があります。
丁寧に歯磨きを行って口腔疾患を予防できれば、歯を失うリスクや全身の健康状態を悪化させるリスクなどを低減できます。
また、歯磨きをしっかりと行っていれば、トラブルが起こった場合でも大がかりな治療は必要ないでしょう。虫歯になりかけている段階であれば、正しく歯磨きを行い、歯科医院のクリーニングとフッ素塗布などの処置を受けるだけで改善されることが多いです。
歯を削るなどの処置が必要ないので、歯の寿命を延ばすことにつながるでしょう。治療にかかる費用の負担を軽減することも可能です。
歯磨きをしっかりと行えば、においのもととなる食べカスなどを除去できます。そのため、口臭を予防する効果も期待できるでしょう。
正しい歯磨きの仕方
自己流の歯磨きを実践している方が多いのではないでしょうか。歯科医院では、歯磨きの仕方を指導している場合が多いです。
専用の薬剤を使って磨き残しがある部分を染め出し、一人ひとりに適した歯磨きの仕方を指導するのが一般的です。歯磨きの仕方には癖があるので、磨き方にも個人差があります。
ご自身に適した歯磨きの仕方を学ぶことが、口腔疾患を予防することにつながるでしょう。
本項目では、一般的な歯磨きの仕方をご紹介します。
歯磨きの基本
歯ブラシでブラッシングするときのポイントは、以下の3つです。
- 毛先を歯の面に当てて磨く
- 強く磨かない
- 小刻みに磨く
毛先が歯の面に当たっていることを確認しながら磨きましょう。歯ブラシの毛先が広がらない程度の力で、1か所10〜20回を目安に小刻みに磨きます。
強い力で磨くと、歯茎などに炎症を引き起こす可能性があるため気をつけてください。
歯磨きの時間は、一般的には3分程度が推奨されています。あくまでブラッシングにかける時間なので注意してください。
マウスウォッシュや歯間ブラシなどの補助アイテムを使用する場合は、より時間がかかります。丁寧に歯磨きをすると、トータルで10分程度必要でしょう。
歯磨きをする適切なタイミング
食後すぐに歯を磨くことが推奨されています。理由は大きく2つです。
- 細菌の増殖を抑制できる
- 口腔内が酸性に傾く時間を短くできる
ただし、口腔内の病気などが原因で食後すぐに歯磨きしないほうがよい場合もあります。歯科医師の指示に従うとよいでしょう。
歯ブラシの選び方
歯ブラシには、さまざまな種類があります。それぞれ特徴が異なるため、何を購入すればよいか悩む方も多いでしょう。
歯ブラシを選ぶときの注目すべきポイントを解説します。
毛の硬さ
毛が硬ければ硬いほど、歯についた汚れを落としやすいです。
ただし、歯の表面や歯茎を傷つける可能性があるため、硬ければよいというわけではありません。歯磨きをしたことで歯茎から血が出た経験がある方や、歯磨き後に軽い痛みを感じる方などは、柔らかめの歯ブラシが適しているでしょう。
ヘッドの大きさ
ヘッドは、大きいほうが歯と接する面積が増えるため安定して歯磨きできます。
しかし、ヘッドが大きすぎると、歯と歯の間や細かいすき間などに磨き残しが生じやすいでしょう。口を大きく開けられない方は、歯磨き自体が難しくなります。
ご自身の口のサイズに適したヘッドの歯ブラシを使用することが重要です。
毛先の太さ
一般的な歯ブラシの毛の直径は、0.2mm前後です。0.2mmを基準に毛先の太さを判断します。
毛先が太い歯ブラシは、全体的な汚れは落としやすいですが細部に毛先が届きません。奥歯の裏側や歯と歯の間に磨き残しが生じやすいでしょう。
毛先が細い歯ブラシは、毛先が届くので細部まで磨けますが、全体的な汚れは落としにくいです。
歯磨きの補助アイテム
歯ブラシと補助アイテムを併用すると、歯ブラシだけで磨いたときと比較すると汚れの除去率が1.5倍に上昇するといわれています。歯磨きの補助アイテムとしては、マウスウォッシュや歯間ブラシ、デンタルフロスが挙げられるでしょう。
それぞれ詳しく解説します。
マウスウォッシュ(洗口液)
マウスウォッシュは、適量を口に含んでうがいすることで、口腔内の雑菌を殺菌・抗菌して虫歯や歯周病を防ぐアイテムです。口臭をケアする効果も期待できます。
単体で使用しても十分に汚れは落ちませんが、ブラッシングと組み合わせて使用するとよいでしょう。
歯間ブラシ
歯間ブラシは、名前のとおり歯の間の汚れを除去するアイテムです。歯と歯のすき間が広い部位や、ブリッジをしていてデンタルフロスが通らない部位の清掃に適しています。
持ち手の先に汚れを取るための毛がついており、L字型・I字型のものが一般的です。汚れを除去したいすき間に挿入して、前後に動かして汚れを除去します。
歯間ブラシは、すき間よりもやや小さいサイズを選択してください。力を入れなくても挿入できるものが、適したサイズです。
無理に挿入すると歯や歯茎を傷つけるので、歯間ブラシが入らない部分にはデンタルフロスを使用しましょう。
デンタルフロス
デンタルフロスは、歯間の汚れを取り除くためのアイテムです。ホルダータイプと、ロールタイプがあります。
ホルダータイプは、Y字型やF字型のものが一般的です。持ち手の先にフロス(糸)がつけられており、フロスを歯間に通して使用します。
ロールタイプは、必要な長さを切り取って指に巻きつけて使用するフロスです。慣れるまでは扱いが難しいと感じる方が多いですが、経済的なことがメリットでしょう。
デンタルフロスは、歯間ブラシが入らないすき間の汚れを取り除く際に適しています。
まとめ
今回は、正しい歯磨きの仕方について解説しました。
歯磨きをしっかり行うと、虫歯や歯周病を予防できるだけでなく、全身の健康を保つことにつながります。正しい歯磨きの仕方を理解し、毎日実践することが非常に重要です。
歯ブラシで磨くだけでは、十分に汚れを落とすことは難しいです。そのため、マウスウォッシュや歯間ブラシ、デンタルフロスも併用しましょう。
補助アイテムを適切に使用することで、汚れの除去率を高められます。歯科医院では、正しい歯磨きの仕方や補助アイテムの使い方を指導している場合が多いです。
正しい歯磨きの仕方を知りたい方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。