こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
インビザラインで気になる部分だけを矯正したいとお考えの方がいるのではないでしょうか。どのような歯並びであればインビザラインの部分矯正で治療できるのか疑問をお持ちの方もいるでしょう。
今回は、インビザラインの部分矯正について詳しく解説します。インビザラインの部分矯正で治療するメリットやデメリット、治療できる歯並びについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザラインの2つの治療法
インビザラインには、以下の2つの治療法があります。
- 部分矯正
- 全体矯正
それぞれ詳しく解説します。
部分矯正
部分矯正とは、一部の歯のみを矯正する治療法です。例えば「上の前歯のすき間をなくしたい」「前歯だけひっこめたい」など、気になる部分のみを矯正する際に適しています。主に前歯部分の歯並びの矯正に適した治療法です。
インビザラインの部分矯正には「インビザライン・ライト」「インビザライン・エクスプレス」「インビザライン Go」の3種類があります。
全体矯正
全体矯正とは、歯列全体を矯正する治療法です。臼歯や犬歯も含めたすべての歯を治療対象としているため、全体的な歯並び・噛み合わせの治療ができます。部分矯正で前歯のみを治療したい場合でも、奥歯を動かす必要がある場合は全体矯正が必要になるケースもあるでしょう。
インビザラインの部分矯正で治療するメリット
インビザラインの部分矯正で治療するメリットは、以下の6つです。
- 治療期間が短い
- 費用が安い
- 痛みが少ない
- 目立ちにくい
- 違和感が少ない
- お手入れしやすい
それぞれ詳しく解説します。
治療期間が短い
インビザラインの部分矯正は、全体矯正に比べて治療期間が短いです。インビザラインの全体矯正の治療期間は2~3年程度が一般的でしょう。
一方で、インビザラインの部分矯正の治療期間は半年〜1年程度です。部分矯正は、歯列全体を動かす全体矯正に比べて動かす歯の本数が少ないため、短期間で治療を終えることができます。短期間で気になる部分だけを矯正できる点はメリットといえるでしょう。
費用が安い
インビザラインの部分矯正は、全体矯正に比べて費用が安いです。インビザラインの全体矯正の費用相場は800,000~1,000,000円程度が一般的でしょう。
一方、インビザラインの部分矯正の費用相場は100,000~600,000円程度で、使用するアライナーの枚数が全体矯正よりも少ないため費用が安いのです。
インビザラインの全体矯正の場合は40〜50枚程度のアライナーを使用しますが、部分矯正の場合は15枚以下で治療できるケースもあるため、その分費用が安くなります。
痛みが少ない
痛みが少ないこともインビザラインの部分矯正のメリットです。インビザラインの全体矯正では前歯だけでなく奥歯も動かします。奥歯は前歯よりも歯槽骨にしっかりと根付いており、動かしにくく、痛みが出やすいです。
一方、インビザラインの部分矯正は前歯のみが対象であることが一般的であるため、痛みが少ないのです。また、ワイヤー矯正では歯の表面に装着した装置に強い力を加えて歯を動かすため、痛みが出ることがあります。
しかし、インビザラインは1枚のアライナーで動かす範囲が0.25㎜と短く、歯を段階的に動かしていくため、痛みが少ないのです。
目立ちにくい
ワイヤー矯正の場合、歯の表面に金属製の矯正装置を装着するため目立ちます。
一方、インビザラインのアライナーは透明のため、目立ちにくいです。人目を気にせず矯正ができる点は大きなメリットといえるでしょう。
違和感が少ない
ワイヤー矯正の場合、歯の表面に矯正装置を装着するため、装着中の違和感が強く、はじめのうちは発音に不都合が生じることや、舌や口の中が傷つくことがあります。
一方、インビザラインのアライナーは0.5㎜と薄いため、装着時の違和感が少ないのです。
お手入れしやすい
ワイヤー矯正の場合、食事や歯磨きの際、装置を取り外すことができません。そのため、装置に食べかすが溜まりやすく、歯磨きもしにくいです。
一方、インビザラインのアライナーは1日20〜22時間以上装着できれば、食事や歯磨きの際に取り外すことができます。そのため、通常どおりに歯磨きができるのです。
また、アライナーそのものも洗浄することができます。お手入れのしやすさもインビザラインのメリットといえるでしょう。
インビザラインの部分矯正で治療するデメリット
次に、インビザラインの部分矯正で治療するデメリットについて解説します。
インビザラインの部分矯正で治療するデメリットは、以下の2つです。
- 適応症例が限られる
- 歯を削る場合がある
それぞれ詳しく解説します。
適応症例が限られる
インビザラインの部分矯正は歯並びの乱れが軽度の症例にしか対応できません。重度な症例や骨格に問題がある症例には適応が難しいのです。
また、部分矯正では奥歯を動かさないため、見た目は改善できても噛み合わせの問題は解決しません。歯を動かせる範囲が限られるため、噛み合わせを改善することは難しいのです。
歯を削る場合がある
矯正治療において歯を動かすスペースがない場合、奥歯を動かすことや、抜歯をすることが一般的です。
しかし、インビザラインの部分矯正では、奥歯を動かすことも抜歯をすることもできません。そのため、歯を動かすスペースを確保するためにディスキングという歯を削る処置を行うことがあります。健康な歯を削ることに抵抗がある方にとってはデメリットといえるでしょう。
インビザラインの部分矯正で治療できる歯並び
インビザラインの部分矯正では、抜歯をする必要がない、比較的軽度な症例に対応できます。
インビザラインの部分矯正で治療できる歯並びは、以下のとおりです。
- すきっ歯
- 軽度の叢生(そうせい)
- 軽度の出っ歯
- 矯正治療後の後戻り
それぞれ詳しく解説します。
すきっ歯
すきっ歯とは、前歯にすき間がある状態の歯並びです。すきっ歯は、歯と歯の間にすき間があり、歯を動かすスペースが確保できている状態であるため抜歯の必要がありません。そのため、インビザラインの部分矯正で治療できるのです。
しかし、出っ歯や過蓋咬合など、歯並びにほかの問題がある場合は、部分矯正では治療ができず、全体矯正で治療するケースもあります。
軽度の叢生(そうせい)
叢生(そうせい)とは、歯がデコボコに生えている歯並びです。歯を動かすスペースが十分にあり、抜歯の必要がなければインビザラインの部分矯正で治療できます。歯を動かすスペースがなく、抜歯を伴う場合には全体矯正での治療が必要になるでしょう。
軽度の出っ歯
出っ歯とは、上の前歯が下の前歯よりも前に突出している歯並びです。軽度の出っ歯で、かつ抜歯の必要がなければインビザラインの部分矯正で治療できます。
矯正治療後の後戻り
矯正治療後に後戻りした歯も、インビザラインの部分矯正で治療が可能です。矯正治療後に保定装置(リテーナー)の装着を怠ると、歯はもとの位置に戻ろうとします。
矯正治療によって歯が動きやすい状態になっており、歯を動かすスペースも確保されている状態のため、インビザラインの部分矯正で治療ができるのです。
インビザラインの部分矯正で治療できない歯並び
骨格や噛み合わせに問題がある場合や、抜歯が必要な場合は、インビザラインの部分矯正では治療できません。
具体的には、以下のとおりです。
- 重度の叢生(そうせい)・出っ歯
- 重度の受け口
- 重度の開咬
- 重度の歯周病
それぞれ詳しく解説します。
重度の叢生(そうせい)・出っ歯
重度の叢生(そうせい)や出っ歯の場合、前歯だけでなく奥歯も動かす必要があります。歯を動かすスペースを確保するために抜歯が必要になることが多く、歯を動かす距離が長くなるため、インビザラインの部分矯正では治療が難しいでしょう。
重度の受け口
受け口とは、下顎が上顎よりも前に突出している状態です。重度の受け口は、骨格に問題がある場合が多いでしょう。骨格に問題がある場合は、外科手術が必要になるケースがあるため、インビザラインの部分矯正では治療が難しいのです。
重度の開咬
開咬とは、歯を噛み合わせたときに上下の歯の間にすき間ができている状態です。重度の開咬は、奥歯を動かす必要があるため、インビザラインの部分矯正では治療ができません。骨格に問題がある場合には、外科手術が必要になることもあるでしょう。
重度の歯周病
重度の歯周病の場合、インビザラインでの治療ができません。これは、全体矯正でも同様です。
歯周病が進行すると、歯を支えている骨が溶ける可能性があります。力を加えて歯を動かす矯正治療は、歯周病の進行を加速させ、歯が抜けるリスクが高まるのです。
インビザライン矯正前に歯周病が見つかった場合は、歯周病の治療をしてからインビザライン矯正を開始します。
インビザラインの部分矯正で治療する場合の費用
インビザラインの部分矯正で治療する場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。インビザラインの種類ごとの費用相場は、以下のとおりです。
<インビザラインの部分矯正で治療する場合の費用>
インビザライン部分矯正の種類 | 費用 |
---|---|
インビザライン・ライト | 450,000~600,000円程度 |
インビザライン・エクスプレス | 200,000~400,000円程度 |
インビザライン Go | 350,000~500,000円程度 |
インビザラインは保険が適用されません。自費診療のため、費用は歯科医院によって異なります。詳しい費用については、歯科医院で確認しましょう。
まとめ
今回は、インビザラインの部分矯正について解説しました。
インビザラインの部分矯正は、気になる部分のみを矯正できる治療法です。全体矯正に比べて動かす歯の本数が少ないため、治療期間が短く、費用も安いというメリットがあります。
一方で、インビザラインの部分矯正は、すべての症例に対応できるわけではありません。噛み合わせに問題がある場合や抜歯が必要になる場合には、全体矯正やワイヤー矯正など別の矯正方法で治療する必要があります。
ご自身の歯並びが、インビザラインの部分矯正で治療できるかは、歯科医師の診断が必要です。インビザラインで気になる部分のみを矯正したいとお考えの方は、一度歯科医院のカウンセリングを受けるとよいでしょう。
インビザラインを検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。