歯医者で行うフッ素塗布とは?効果や安全性など詳しく解説!


フッ素の効果イメージ

こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。

虫歯予防のためにフッ素塗布を受けたことがある方も多いでしょう。「歯の表面にジェルを塗るだけで本当に効果があるの?」と不安な方もいるのではないでしょうか。

フッ素には、虫歯を予防する3つの効果があります。3~4か月に一度、定期検診と一緒にフッ素塗布を受けるとよいでしょう。

今回は、歯医者で行うフッ素塗布の効果や安全性などについて詳しく解説します。フッ素塗布について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

歯医者で行うフッ素塗布とは?

フッ素塗布する人

歯医者で行うフッ素塗布とは、虫歯を予防するためにフッ素を歯の表面に塗る処置のことです。歯医者で行うイメージがあるため、フッ素は特別な薬と思っている方がいるかもしれません。

しかし、フッ素はミネラルの一つで、魚介類や茶葉など、ふだん口にするものに含まれています。また、骨や歯などにも含まれる成分で、決して特別なものではありません。

フッ素には骨や歯を強くする効果があるため、骨や歯にとって欠かせない成分といえます。

フッ素塗布にはどのような効果がある?

フッ素の効果イメージ

フッ素には3つの働きがあります。歯の表面にフッ素を塗布することで、虫歯予防に効果的でしょう。

虫歯予防に効果のあるフッ素の働きについて詳しく解説します。

再石灰化を促す

口内では、酸で歯が溶ける脱灰(だっかい)と、脱灰で溶けた歯を修復する再石灰が繰り返されています。脱灰と再石灰のバランスが崩れると、脱灰によって歯の表面が溶け続けて歯に穴があき、虫歯になるのです。

フッ素には、溶け出した歯の表面のミネラル成分をもとに戻す効果があります。そのため、フッ素塗布を行うことで脱灰を抑制しながら再石灰を促せるため、虫歯予防に有効です。

歯質を強化する

歯の表面のエナメル質はハイドロキシアパタイトという成分でできていますが、虫歯菌の出す酸に溶けやすいという特徴があります。

特に、こどもの歯は大人の歯に比べるともろいため虫歯になりやすく、虫歯になると進行が早いといわれています。大人の場合も、加齢や歯周病によって歯茎が下がって象牙質が露出すると、歯の根元の虫歯リスクが高くなるため注意が必要です。

歯の表面にフッ素を塗布することで、酸に溶けにくい状態に変化します。フッ素塗布によって、虫歯になりづらい強い歯にできるのです。

虫歯菌を抑制する

フッ素には、虫歯菌そのものを弱らせる効果もあります。虫歯菌は、磨き残しであるプラークに潜んで糖質をエサに繁殖する際に、歯を溶かす酸を出します。酸が歯の表面に穴をあけ、虫歯になるのです。

お口の中に虫歯菌が存在していても、フッ素を塗布することで虫歯菌の繁殖を抑えられるため、虫歯予防に効果があるでしょう。

フッ素の安全性

フッ素の安全性イメージ

先述したように、フッ素は体の中にあるミネラルの一つで、食べ物にも含まれています。体に悪いものではないので、安心して使用できます。

しかし、食べ物や薬と同じように、大量に摂取すると下痢や嘔吐などを引き起こす可能性があるので注意が必要です。また、長期的に大量にフッ素を摂取すると、フッ素症を引き起こすことがあります。

フッ素症とは、フッ素の過剰摂取により歯の表面に白斑や白濁、縞模様などが現れる症状のことです。フッ素症は、体重1kgに対してフッ素2〜4mg摂取することで起こるといわれています。体重15kgのこどもの場合、フッ素症を引き起こすフッ素の量は60mgということです。

こども用のフッ素ジェルや歯磨き粉(フッ素含有量950ppm)1本あたりに含まれるフッ素の量が約60mgなので、歯磨き粉1本を一気に飲み込まなければフッ素症になることはないでしょう。

50kgの大人の場合、フッ素症を引き起こすフッ素の量は100mgですが、大人用の歯磨き粉1本(フッ素含有量1,450ppm)を一気に飲み込まなければなりません。市販されている歯磨き粉でフッ素症を引き起こす可能性は非常に低いです。

長期的に大量のフッ素を摂取しなければ、フッ素症を引き起こす心配はありません。歯医者でのフッ素塗布やご自宅での歯磨き粉の使用などで、体に害を及ぼす可能性はないといえるでしょう。

歯医者で行うフッ素塗布の流れ

フッ素塗布を受ける人

歯医者では、虫歯治療の仕上げや定期検診などでフッ素塗布を行うのが一般的です。

一般的なフッ素塗布の流れは、以下のとおりです。

  1. 歯の表面をきれいにする
  2. 綿球や歯ブラシなどでフッ素を塗布する
  3. 1分間ほどフッ素の浸透を待つ
  4. 綿球などでフッ素をふき取る

歯の表面が汚れていると効果的にフッ素を取り込めないため、まずは歯の表面をきれいにクリーニングします。歯の表面がきれいになったあと、綿球で奥歯から前歯、歯の溝や根元までフッ素塗布をするのが一般的です。

お子さまの場合、お口の中にピンセットなどの器具が入ることに恐怖を感じることもあるので、歯ブラシでフッ素塗布するケースもあるでしょう。

お口の中の唾液によってフッ素が流れると効果が薄れるため、うがいはせずに1分間ほどフッ素の浸透を待ちます。綿球などでフッ素をふき取れば、フッ素塗布は終了です。

歯医者でフッ素塗布を受けたあとの注意点

歯医者でフッ素塗布を受けたあとの注意点イメージ

歯医者でフッ素塗布を受けたあとは、以下の2点に注意しましょう。

フッ素塗布後、30分間はうがい・飲食しない

フッ素は30分ほどかけて徐々に歯に浸透していくため、フッ素塗布をしたあとはうがいや飲食はしてはいけません。フッ素塗布後にお口の中に水や食べ物が入ると、フッ素が流れて効果が薄れるためです。

フッ素塗布後、唾液が出てきて飲み込むと気持ち悪いと思う方もいるでしょう。唾液で気持ち悪いと感じる場合、唾液を吐き出してください。

フッ素塗布後30分経てば食事制限する必要はないので、ふだんどおり食事をしていただいて問題ありません。

ケアを欠かさない

フッ素塗布には虫歯予防に効果があるものの、フッ素塗布をしたからといって虫歯にならないわけではありません。フッ素を塗布している・していないに関わらず、虫歯の原因は磨き残しなので、歯磨きによるケアが重要なのです。

食後は歯を磨く、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやフロスなどを合わせて使うなど、毎日の歯磨きによってできるだけお口の中を清潔に保ちましょう。毎日丁寧に歯磨きしていても磨き残しは生じるため、定期的に歯医者でクリーニングを受けることも欠かさないでください。

歯医者でのクリーニングでは、歯垢や歯石を徹底的に除去できるだけでなく、表面を磨くことによって汚れの再付着を防ぐ効果もあります。

フッ素塗布は虫歯予防のためのプラスワンの処置なので、毎日のセルフケアと定期的なメンテナンスを怠らないことが重要です。

歯医者でフッ素塗布を受ける頻度

歯医者でフッ素塗布を受ける頻度を確認

歯医者で取り扱うフッ素は市販のものよりも濃度が高いため、フッ素塗布の効果は3~4か月程度持続するといわれています。3~4か月に一度、定期検診と一緒にフッ素塗布を受けるとよいでしょう。

繰り返し歯医者でフッ素塗布を受けることで、虫歯予防に効果があります。

ただし、フッ素塗布をしても完全に虫歯を予防できるわけではありません。ご自宅での歯磨きによるセルフケアもしっかりと行いましょう。

毎日の歯磨き粉には、フッ素入りの歯磨き粉を使用すると虫歯予防に効果的です。フッ素ジェルやフッ素入りのうがい薬なども使用すると、より虫歯予防に効果があります。

「フッ素入りのものを毎日使用しても大丈夫?」と思うかもしれませんが、歯医者で使用するフッ素の濃度は9,000ppmであるのに対し、市販のものは6歳以下のこども用が950ppm、6歳から大人までが最大1,450ppmと定められています。身体に悪影響を及ぼさないように調整されているので、毎日使用しても問題ありません。

まとめ

フッ素塗布した人

歯医者で行うフッ素塗布とは、虫歯を予防するためにフッ素を歯の表面に塗る処置のことです。フッ素には歯を修復する再石灰を促す効果、歯質を強化する効果、虫歯菌を抑制する効果があるため、虫歯予防に効果的です。

しかし、フッ素を塗布したからといって虫歯を完全に予防できるわけではありません。歯医者でのフッ素塗布には虫歯を予防する効果があるものの、毎日の歯磨きがきちんとできていなければ意味はないのです。

毎日の歯磨きによるセルフケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。歯医者での定期検診と一緒に3〜4か月に一度フッ素塗布を受けましょう。

フッ素塗布を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。

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