こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
インプラントは失われた歯を補う方法として、機能面でも審美的な面でも優れており、非常に人気のある治療方法の一つです。インプラントは耐久性に優れているため、半永久的に使用できるともいわれています。
しかし、実際のところインプラントにも寿命があります。では、インプラントの寿命はどの程度なのでしょうか。
今回は、インプラントの寿命について、寿命が短くなる要因や長持ちさせる方法を解説します。記事の後半では、インプラントが寿命を迎えた時の対処法についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
インプラントとは?
インプラントは歯が欠損した部位の顎の骨に穴を開け、チタン合金などでできた人工歯根を埋め込んで固定し、その上に人工の歯を被せる治療方法です。
インプラントが普及する前までは、歯が失われた場合の主な治療方法は、義歯やブリッジでした。インプラントは義歯やブリッジと比べて、機能面や審美的な面で優れています。
多くのメリットがあるため、1960年代に導入されてから現在までに多くの人が利用しています。
インプラントのメリットの一つに、耐久性があります。インプラントは丁寧に使用することで、半永久的に自分の歯と同様に使うことができるといわれています。
なぜインプラントが半永久的といわれるほど長寿命なのかというと、人工歯根に用いられている素材の強固さが関係しています。
人工歯根には、チタンやチタンニッケル合金など、強度の高い素材が用いられています。これらの素材は摩耗や損傷しにくいため、長い間、歯をしっかりと支えることができるのです。
しかし、どれだけ強度の高い素材を使用していても、人工物であることに変わりありません。メンテナンスを怠ると、インプラントが傷んで使用できなくなります。
しっかりとメンテナンスを行えば、インプラントの長期的な使用が可能です。
インプラントの寿命はどれくらい?
インプラントは半永久的に使用できるといわれていますが、一般的なインプラントの寿命は10~15年程度です。ある調査では、インプラントの10~15年残存率は上顎で90%程度、下顎で94%程度とされています。約9割の方が、10~15年インプラントを使い続けていると報告されています。
今後は、20年を超えて使用し続けているといった報告も増えてくることが予想されます。
一方で、義歯やブリッジは10年未満で不具合が生じ、修理や取り換えが必要になることが多いです。一般的に義歯の寿命は4~5年程度、ブリッジの寿命は7~8年程度といわれています。
義歯やブリッジと比べると、インプラントのほうが長持ちするといえるでしょう。
しかし、インプラントの寿命は口腔内の状態・日頃のメンテナンス・生活習慣の影響を受けます。日ごろのセルフケアを怠れば数年で使用できなくなる場合もあるため注意しましょう。
適切なケアをして丁寧に取り扱えば、一般的な寿命よりも長く使用できることがあります。
インプラントの寿命が短くなる要因とは?
前述したように、インプラントの寿命は口腔内の状態・日頃のメンテナンス・生活習慣の影響を受けます。それでは、インプラントの寿命を短くする要因には、どのようなものがあるでしょうか。
以下に挙げる3つの要因は、インプラントの寿命を短くするとされています。
虫歯や歯周病
インプラントの寿命を大きく左右するのは、口腔内の状態です。インプラント自体は虫歯になりませんが、インプラントの周囲の歯や組織は細菌に感染します。
虫歯や歯周病があると口腔内で感染が起きやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。インプラント周囲炎になると、インプラントの寿命は短くなります。
喫煙習慣
喫煙者は非喫煙者と比較すると、インプラント周囲炎の発症率が数倍高いことが指摘されています。
喫煙は骨とインプラントが結合する力を弱める、免疫力を低下させて感染症のリスクを高めるなどの悪影響を及ぼします。歯茎の血流が悪くなって歯周病にかかりやすくなることもあるでしょう。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりをすると歯に大きな力が加わります。100kg以上の力がかかるともいわれています。
天然の歯には、歯と歯槽骨の間に歯根膜があり、噛んだ時にかかる力を分散させて衝撃を和らげています。インプラントには歯根膜がないため、歯ぎしりや食いしばりによる衝撃を和らげられません。
そのため、インプラントに直接力が加わって破損するリスクがあるのです。
インプラントを長持ちさせる方法
インプラントの治療は決して安価ではなく、高額になるケースが多いです。インプラントを長持ちさせて、少しでも長く使用したいと思う方は多いでしょう。
では、インプラントを長持ちさせるためには、どのような方法があるのでしょうか。
インプラントを長持ちさせる方法をご紹介します。
歯科医院で定期的に検診を受ける
口腔内の状態は、インプラントの寿命を大きく左右する要因の一つです。
インプラント治療後は、インプラント周囲炎に注意しなければなりません。インプラント周囲炎になると、人工歯根を支える歯周組織が破壊されたり、顎の骨が劣化したりします。
歯磨きなど毎日のセルフケアで口腔内を清潔に保ち、インプラント周囲炎を防ぐことが重要です。
しかし、毎日のセルフケアだけでは清掃が行き届かない部分も出てきます。歯科医院の定期検診で、口腔内の観察やクリーニングを受けることも重要です。
禁煙をする
喫煙習慣はインプラントの寿命を短くするため、改善する必要があります。
可能ならばインプラントの治療前から禁煙をして、治療終了後も継続して禁煙するのが望ましいです。それが難しい場合は、本数を減らすことから始めましょう。
マウスピースで歯ぎしり・食いしばりの対策をする
歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合は、睡眠中に装着するマウスピース(ナイトガード)を使用することで、強い衝撃からインプラントを守りましょう。ナイトガードは歯科医院で作成できるため、歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合は、歯科医師に相談してください。
歯ぎしり・食いしばりはストレスが主な原因といわれており、無意識に行っていることが多いです。自分で治すのは難しい場合が多いでしょう。
運動やストレッチをしたり、寝る前にリラックスできる時間や環境を作ったりするなど、ストレスを溜め過ぎないようにコントロールすることも大切です。
インプラントが寿命を迎えたサインとは?
インプラントが寿命を迎えると、ぐらついたり痛みが出たりします。このような状態になった場合は、インプラントの除去や再手術が必要です。
寿命を迎えたインプラントを放置してそのまま使用し続けると、インプラントが自然と脱落する可能性があります。誤嚥したり、歯周病やインプラント周囲炎が進行して隣接する歯や歯槽骨に影響を与えたりします。最悪の場合、再治療が困難になる場合もあります。
インプラントが寿命を迎えたときの対処法
インプラントがグラグラするようになった場合は、早めに歯科医院を受診すべきです。その際に、インプラントの保証期間を確認するようにしましょう。
インプラントには10年程度の保証期間が設定されているのが一般的です。保証期間内であれば無料、もしくは割引価格で修復や交換ができます。
ただし、保証内容や条件は歯科医院によって異なりますので、治療前に確認しておきましょう。
インプラントが寿命を迎えてしまっても、顎の骨の状態が正常であれば、再手術ができます。歯科医師がインプラントや口腔内の状態を評価し、適切な治療方法を提案してくれます。
重要なのは、寿命を迎えたインプラントを使用し続けず、何らかの問題が生じたら速やかに歯科医院を受診することです。
まとめ
今回は、インプラントの寿命について、寿命が短くなる要因、長持ちさせる方法、寿命を迎えた際のサインや対処法を解説しました。
歯を失った場合に、従来の義歯やブリッジではなく、インプラントの治療を希望する方が増えています。インプラントのメリットである長寿命を実現するためには、毎日のセルフケアと数か月に1回の定期健診を怠らないことが重要です。
インプラントは決して安価な治療方法ではないため、セルフケアをきちんと行い、できるだけ長期間インプラントを使用できるように心がけましょう。
インプラント治療を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。