こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
歯ぎしりがある患者様でも、基本的にはインビザライン矯正は可能です。
しかし、重症度や口腔内の状態によっては難しいことがあるでしょう。また、歯ぎしりがない方は気にしなくてもいい注意点を守る必要があります。歯ぎしりがある患者様のインビザライン治療は、どのように行えば良いのでしょうか。
今回は、歯ぎしりの原因や改善方法と合わせて、インビザライン矯正が可能なのか詳しく解説します。
目次
歯ぎしりとは?
歯ぎしりとは、無意識の内に歯を強く擦り合わせたり噛み締めたりすることです。人間が強く歯を噛みしめた時、歯にかかる力は70kg程度といわれています。
しかし、就寝中など無意識下で行われる歯ぎしりは、その5倍から10倍ほどの負担を歯にかけるのです。350kgもの力が歯に加わると考えると、ダメージが大きいことは容易に想像できるでしょう。
歯ぎしりにはいくつか種類があります。歯ぎしりの種類によって、歯へのダメージの大きさや口腔内への影響が変わります。
グラインディング
上下の歯をギリギリとすり合わせるようにこするのが、グラインディングです。夜中に大きな音を立てて歯ぎしりをしていると指摘された方は、グラインディングをしている可能性が高いです。
歯を横にすり合わせるため、歯に大きな力がかかって摩耗や破折の原因になることもあります。
クレンチング
上下の歯を強く食いしばるようにするのがクレンチングです。 グラインディングのように音がしないため、気づかれないことも多いです。
しかし、強い力をかけて噛みしめるため、歯の摩耗につながるだけでなく、顎関節にも大きな負担をかけるでしょう。起きている時に歯を強く食いしばる癖がある方は、夜間もクレンチングを行っている可能性が高いです。
タッピング
上下の歯をカチカチと噛み合わせるようにするのがタッピングです。グラインディングやクレンチングに比べて、歯への負担は少ないでしょう。
しかし、負担が少ないからと放置してはいけません。グラインディングやクレンチングに移行する可能性もあるため、早めに歯科医院に相談することが大切です。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりの原因は完全には解明されていませんが、以下のような理由が多いとされています。
ストレス
ストレスは歯ぎしりの原因になります。普段歯ぎしりをしない方でも、ストレスがたまった状況だと夜間の歯ぎしりが現れることがあるのです。
昼間のストレスを歯ぎしりで解消している可能性を指摘する研究もあるほど、歯ぎしりとストレスの関係は深いと考えられています。
噛み合わせの悪さ
歯並びや噛み合わせが悪いと、顎の位置が安定せず歯ぎしりの原因になります。虫歯などの歯科治療後や、歯並びの変化があった後などに歯ぎしりが始まる方もいらっしゃいます。
また、子供でも永久歯への交換期に歯ぎしりをすることがあります。この場合は歯の位置を調節するために行っているとされており、次第におさまることも多いです。
鼻疾患がある
夜間鼻づまりがあり、口呼吸をすることが歯ぎしりの原因になることがあります。歯ぎしりは浅い眠りの時に起こりやすいため、鼻疾患によって深い眠りが得られないことで歯ぎしりにつながるのです。
喫煙やアルコールの影響
喫煙や飲酒をする方も眠りが浅くなりやすく、歯ぎしりにつながる可能性があります。
歯ぎしりをすると歯や顎にどのような影響がある?
歯ぎしりについてご紹介しましたが、放置するとどのような影響があるのでしょうか。一つずつ確認しましょう。
歯の摩耗・破折
特にグラインディングやクレンチングなどの歯ぎしりを行う場合は、歯の咬み合わせの面がすり減ります。一目見てわかるほど。噛み合わせの面が顕著に平らになる方もいらっしゃいます。
歯科医院で口腔内を確認すれば、摩耗の様子でどの程度のグラインディングやクレンチングを行っているか分かります。
また、歯ぎしりが癖になっていると強い力が継続的にかかります。歯がすり減るだけでなく、破折する可能性もあるでしょう。
被せ物の破損や脱離
詰め物や被せ物を入れている場合、強い力に耐えられず破損することがあります。破損したり外れたりした場合、再度治療を受けなければなりません。
顎関節症
歯ぎしりを行うと強い力がかかるため、歯だけでなく顎にも負担がかかります。顎に負担がかかり続けると、顎関節症になるリスクが上がります。
顎関節症になると、顎の不快感からさらに強い歯ぎしりを行う悪循環に陥るかもしれません。
歯槽骨の吸収
強い力がかかることによって、歯の周りの歯槽骨が吸収されることがあります。歯周病にかかっていたりすると、より顕著にこの症状が現れるでしょう。
歯ぎしり癖があってもインビザライン矯正は可能?
歯ぎしりの癖があってもインビザライン矯正を受けられるのか、気になる方は多いでしょう。インビザラインでは薄いマウスピースを使用して歯並びを整えるので、強い力が加わるとマウスピースが破損する可能性があります。
そのため、強い歯ぎしりがある方はインビザライン矯正を推奨されないかもしれません。
しかし、コントロールが可能で場合や、中等度以下の歯ぎしりだった場合は、治療が可能なこともあります。歯ぎしりの癖がある方は、矯正治療後も後戻りしやすいため、その点にも注意が必要でしょう。
歯ぎしりの程度がどの程度なのか、インビザライン矯正が可能なのかについては、歯科医院で確認してもらいましょう。
歯ぎしりの癖がある方がインビザライン矯正を受ける場合の注意点をご紹介します。
マウスピースの破損に注意
歯ぎしりの癖がある方は、マウスピースが破損するリスクが高くなります。その点をよく理解して治療を受けるようにしましょう。
ナイトガードは使用できない
歯ぎしりがあり、普段からナイトガードを使用している方もいるかもしれません。
しかし、インビザライン矯正中にナイトガードは使用できません。インビザラインでは、マウスピースを1日20時間~22時間装着しなければならないためです。
夜間も装着している必要があるため、この間ナイトガードは使用できません。
歯ぎしりでマウスピースが破損したときの対処法
歯ぎしりでマウスピースが破損してしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか。
すぐに歯科医院に連絡する
歯ぎしりでマウスピースが破損してしまった場合は、すぐに歯科医院に連絡しましょう。ご自分の判断で修理して使うと、破損した部分で口の中を切る可能性もあります。
マウスピースを作り直す・修理する
破損が激しい場合は、マウスピースの作り直しが必要になるでしょう。修理で対応可能なこともありますが、作り直す場合は治療期間が長くなるため注意してください。
自分で破損部分を修復しない
患者様ご自身で破損部分を接着剤でくっつけるなど、修理しようとはしないでください。
インビザラインのマウスピースは、患者様の口内を精密にスキャンして作成されています。修理して形状が変わると、適切な矯正力がかからなくなるかもしれません。
歯ぎしりを改善する方法
歯ぎしりをしていると、矯正治療がうまくいってもその後に後戻りが起こりやすいです。矯正治療中に歯ぎしりも改善できるのが理想でしょう。
歯ぎしりを改善するためには、どうしたらよいのでしょうか。
ストレスをためない
ストレスは歯ぎしりの大きな原因となるため、ストレスをためないように過ごしましょう。集中して作業している間でも、適度にリラックスできる時間を設けることが重要です。適度な運動をするなど、意識的にリラックスする生活を心掛けてください。
鼻疾患を治療する
鼻疾患があり、歯ぎしりの原因になっている方は耳鼻咽喉科で治療したほうがいいでしょう。鼻づまりが改善されて呼吸がうまくできるようになると、眠りが深くなって歯ぎしりの改善につながることがあります。
噛み合わせを改善する
噛み合わせに問題があると歯ぎしりの原因になります。歯科医院で相談し、できるだけ負担のない噛み合わせに調整してもらいましょう。
よく眠れる工夫をする
眠りが浅いと歯ぎしりの原因になります。喫煙や飲酒を控えるなど、眠りが浅くなる行動を避けてよく眠れる工夫をしましょう。日中によく体を動かす、眠る環境を見直すなども大切です。
まとめ
歯ぎしりがある方には、インビザライン矯正は推奨されないことがあります。
しかし、程度が軽い場合や、患者様の口腔内の状態によっては治療が可能です。歯科医院でよく相談して、リスクも理解した上で治療を受けるようにしてください。
また、歯ぎしりがあると矯正治療を行っても後戻りの原因となることがあります。矯正治療を受けながら歯ぎしりの原因を見極め、歯ぎしりを改善することも大切です。
インビザライン矯正を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。