インプラント治療の流れと手術後の注意点を詳しく解説!


インプラントの手術

こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。

インプラント治療は、入れ歯やブリッジと比べて治療過程が複雑です。そのため、あらかじめ治療の流れを理解し、スケジュール調整や日常生活においてさまざまな準備が必要になります。

また、手術後の注意点も多く、必要なケアについて正しく把握しておくことが非常に重要です。

この記事では、インプラント治療の流れから、手術後の注意点まで詳しく解説します。インプラント治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療とは?

インプラントの治療

インプラント治療とは、歯を失った場合に顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける歯科治療のことです。

インプラントは、顎の骨に直接埋め込む歯根部分(インプラント体)、その上に取り付けられる支台部(アバットメント)、歯の部分にあたる人工歯(上部構造)の3つのパーツから成り立っています。

インプラント体は主にチタンやチタン合金で作られ、大きさは直径3〜5mm、長さ6〜18mmです。この材質は生体親和性が高いため、長期間にわたって安定した治療結果を期待できます。

アバットメントの材質にはチタン・チタン合金・ジルコニアが用いられ、上部構造にはレジン(プラスチック)・セラミック(陶器)・ハイブリッドセラミック(セラミックとレジンの混合物)・金合金などが使用されます。

インプラント治療は、失われた歯の機能を回復させるだけでなく、自然な見た目を取り戻すことができる治療法です。また、周囲の健康な歯を削る必要がないため、残っている歯を守りながら治療を行うことができます。

インプラント治療の流れ

カウンセリングする歯科医

インプラント治療の流れは、以下の通りです。

カウンセリング

インプラントは手術を伴う治療であり、どの歯科医院で治療を受けるかで治療の結果が大きく左右されます。歯科医院によって治療方針や設備が異なるため、しっかりとカウンセリングを受け、慎重に歯科医院を選ぶことが大切です。

治療方針やメリット・デメリット、費用などに疑問点がある場合はカウンセリングで確認しましょう。

精密検査

精密検査では、歯周病の有無や噛み合わせの状態、骨の密度・量などを詳しく調べます。これらの検査結果を基に、患者さん一人ひとりに合わせた治療計画を立てます。

患者さんが治療計画の内容や見積もりに納得した上で契約を結び、治療を開始します。

インプラント埋入(一次手術)

一次手術では、チタン製のインプラント体を顎の骨に埋め込みます。インプラント体は、失われた歯の根の役割を果たします。

手術後はインプラント体が顎の骨にしっかりと結合されるのを待ちます。インプラント体と顎の骨が結合することを「オッセオインテグレーション」と呼びます。

一般的に、インプラントの埋入手術は日帰りで行われるため、入院する必要はありません。

抜歯・仮歯装着

インプラント埋入手術の後、約2週間で使用した縫合糸を抜糸します。この抜糸は、手術による傷口が適切に治癒したのを確認してから行います。抜糸後、インプラント体が骨と結合するまでの生活に支障が出ないよう、必要に応じて仮歯の調整が行われます。

待機

インプラント体が顎の骨にしっかりと結合するまでにはある程度の時間が必要です。インプラント体と顎の骨が結合する期間には個人差がありますが、2〜3ヶ月程度かかることが多いです。この待機期間中は、通院する必要はありません。

しかし、埋め込んだインプラント周辺に痛みや違和感などの症状が現れた場合には、速やかに歯科医院に連絡し、適切な対応を受けることが重要です。

アバットメント取り付け(二次手術)

インプラント体と顎の骨が結合したことが確認できたら、歯茎を切開してインプラント体の先端にアバットメントと呼ばれる部品を装着します。

アバットメントには人工歯を支える役割があります。アバットメントにはさまざまな長さや角度のものが用意されており、患者さんの口腔内の状態に合わせて選ばれます。

アバットメントを取り付けたあとは、歯茎が治癒するまで1〜2週間程度観察期間を設けます。二次手術も日帰りで行われるため、入院の必要はありません。

型取り

患者さんの口腔状態や噛み合わせに最適な人工歯(被せ物)を作製するためには、正確な型取りが必要です。この型取りにより、患者さんの口腔内の詳細な形状を把握し、自然な見た目や機能を持つ人工歯を作製します。

人工歯の装着

型取り後に作製された人工歯をアバットメントに装着して、治療は終了です。この段階で、噛み合わせや人工歯の色味に不安や疑問がある場合は、歯科医師に相談しましょう。

治療後は、歯科医師の指示に従い、定期検診を受けることが重要です。また、適切にセルフケアを行うことで、インプラントの寿命を延ばし、長期間にわたってその機能と美しさを保つことができます。

インプラント手術後の注意点

インプラント手術後の注意点イメージ

インプラント手術後は、日常生活においてさまざまなことに注意する必要があります。

インプラント手術後の注意点は、以下のとおりです。

食事

術後、麻酔が完全に切れるまでは食事を控えましょう。麻酔が効いている状態で食事をすると、頬を噛んで傷をつけたり、火傷したりする場合があります。

麻酔が切れた後も、2〜3日程度は傷口に負担をかけないよう、おかゆやうどん、スープといった柔らかい食事を心がけましょう。硬いものや辛いものなどは避けてください。

また、柔らかい食べ物であっても、細かく切る、一口の量を少なくするなどして、口内に過度の力が加わらないように注意してください。噛むときは、施術を受けた部位と反対側で噛みましょう。

入浴・運動

インプラント手術後は入浴や運動は控えましょう。入浴や運動をすると血行がよくなるため痛みを引き起こしたり、出血したりする可能性があるためです。

手術後の3日間程度は湯船に浸かるのを避け、シャワーのみにしましょう。熱いお湯は血行を良くするため、できるだけぬるま湯にしてください。

また、ウォーキングなどの軽い運動であっても、手術後2〜3日程度は避けた方が良いでしょう。体を動かすことで傷口への負担が増え、回復過程に悪影響を及ぼす可能性があります。

インプラント手術後は可能な限り仕事を休み、自宅で安静に過ごしましょう。この期間にゆっくりと休息を取ることで、手術部位の回復を促し、インプラント治療の成功率を高めることができます。

飲酒

術後1週間程度は飲酒を控えましょう。アルコールを摂取すると血行がよくなり、出血や痛みを悪化させる原因になります。また、アルコールの摂取は全体的な回復プロセスにも影響を及ぼす可能性があります。

喫煙

インプラント手術後は喫煙を控えることも重要です。タバコの煙が粘膜の治癒プロセスに悪影響を及ぼすことが知られています。歯肉の血行を悪化させ、傷口の治りを遅らせるだけでなく、化膿のリスクも高めます。

手術後8週間は禁煙することが推奨されています。タバコを吸うとインプラント周囲炎になるリスクも高まるため、インプラント治療を機に禁煙を検討するのも良いでしょう。

歯磨き

インプラント手術後は、手術部位の適切なケアが非常に重要です。

手術直後は歯磨きが難しいため、うがい薬を処方する歯科医院もあります。このうがい薬には、手術部位の清潔を保ちながら、細菌の増殖を抑える役割があります。毎食後や就寝前にうがい薬を使うとよいでしょう。

ただし、強い力でうがいをすると出血の原因となるため、優しくうがいをすることが推奨されます。

一次手術後はインプラントを埋入した部分を糸で縫合します。手術部位を歯ブラシで磨くと傷口が開く場合や痛みが生じる場合があります。抜糸が終われば、手術部位も通常通り磨けるようになります。

それまでの期間、手術を受けた部位以外はしっかり歯磨きをしましょう。インプラント手術後の口腔ケアを怠ると虫歯や歯周病のリスクが高まり、手術部位へも悪影響を及ぼす可能性があります。

服薬

通常、インプラント手術後には数日分の抗生物質と痛み止めが処方されることがあります。手術後の傷口の治癒過程に大きな影響を与えるため、歯科医師の指示に従って薬を服用することが重要です。

特に抗生物質は、傷口の感染や化膿を防ぐために重要であり、痛みや異常がなくても処方された分を全て服用しましょう。

手術直後に痛みが感じられない場合でも、麻酔が切れてから痛みが生じる可能性があります。そのため、麻酔が切れる前に痛み止めを服用するとよいでしょう。

術後の痛みは通常1週間程度で治まりますが、強い痛みが続く場合や薬を服用しても痛みが改善しない場合は、速やかに歯科医師に相談してください。

インプラント治療後はメンテナンスを受けよう!

インプラントのメンテナンス

インプラント治療後のメンテナンスは、インプラントの機能を維持するために重要です。インプラントの寿命は一般的に10~15年程度といわれています。

しかし、これらの数値はしっかりと口腔ケアを行い、定期的にメンテナンスを受けた場合に限られます。インプラントを長く使い続けるためには、日々のケアと定期的なメンテナンスが不可欠なのです。

インプラントは人工歯であるため虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎になる可能性があります。インプラント周囲炎とは、インプラント周囲の歯茎や骨に炎症が生じる疾患です。重症化するとインプラントが抜け落ちることもあります。

インプラント周囲炎を予防するためにはメンテナンスを受けることが重要なのです。メンテナンスの頻度には個人差がありますが、一般的にはインプラント治療を受けた最初の年は3ヶ月に1回程度の頻度でメンテナンスを受けることが推奨されます。その後は、年に2〜3回を目安にメンテナンスを受けましょう。

インプラントのメンテナンスでは、口内やインプラントの状態を確認します。また、プロによるクリーニングや自宅でのケア方法についてのアドバイスも受けられるため、インプラントを長期にわたって維持することにつながるでしょう。

まとめ

インプラントのイメージ

今回は、インプラント治療の流れと手術後の注意点について解説しました。

インプラント治療は外科手術が必要です。手術前にはしっかりと検査をして治療計画が立てられます。

インプラント体を埋め込んだあとは顎の骨と結合するまで待たなければなりません。インプラント体と顎の骨が結合したらアバットメントを装着し、歯茎が治癒してから人工歯を取り付けます。

手術後は、抗生物質や必要に応じて痛み止めを服薬しましょう。入浴や運動、喫煙を控えることや、しっかりと自宅で口腔ケアを行うことが求められます。

また、定期的にメンテナンスを受けることも重要です。定期的にメンテナンスを受けることで、インプラントの機能を維持できるでしょう。

インプラント治療を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。

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