こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
インビザラインはマウスピースを使用した歯列矯正方法の一つです。
インビザラインを検討中の方のなかには「噛み合わせも治療できるの?」という疑問をおもちの方がいるのではないでしょうか。また、インビザラインによって噛み合わせが悪くなったという話を聞いて不安になっている方もいるでしょう。
この記事では、インビザラインで噛み合わせの治療はできるのか、またインビザラインで噛み合わせが悪くなることはあるのか解説します。インビザライン矯正中に噛み合わせが悪いと感じたときの対処法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
正しい噛み合わせとは
正しい噛み合わせは、全身の健康に影響します。まず、理想的な噛み合わせは、前歯の上下の隙間が5mm以下であることです。出っ歯の場合は、上下の隙間が5mm以上になることが多いでしょう。
また、口を閉じた時に下の前歯が上の前歯よりも内側に位置し、奥歯がきちんと噛み合っている状態が正しい噛み合わせといえます。歯列がきれいなU字型のアーチを描いていることも重要で、この形が保たれていることで、噛み合わせが良好であると評価されます。
前歯の大きさについては、上の前歯が下の前歯よりも大きいのが正しい状態です。さらに、上下の前歯が真ん中で揃っているか、そして簡単に口が閉じられるかも重要な指標です。
これらの条件を満たすことで、しっかりと食べ物を噛むことができ、顔のシンメトリーも保たれます。正しい噛み合わせは、見た目の美しさだけでなく、健康な生活を送るための基礎となるのです。
インビザラインで噛み合わせの治療はできる?
インビザラインでは、単に見た目を整えるだけでなく、噛み合わせの問題を改善することも目的としています。多くの人が歯並びの美しさを求めて矯正を考えますが、インビザラインでは口内の機能向上にも焦点を当てています。
インビザラインでは、噛み合わせの不調和を正し、より効率的な咀嚼能力を回復させることが可能です。したがって、インビザラインは見た目の改善だけでなく、食べ物を噛む機能の改善にも効果的な治療法といえるのです。
インビザラインで治療できる噛み合わせ
インビザラインで治療できる噛み合わせは、以下の通りです。
過蓋咬合
過蓋咬合は、上の前歯が下の前歯を大きく覆っている状態を指します。この状態だと、歯のすり減りや歯並びの悪化、さらには顎関節症のリスクを高める可能性があります。
インビザラインを用いた治療では、小臼歯を適切な位置に調整し、噛み合わせの高さを調整することで、過蓋咬合を改善します。
出っ歯
出っ歯は、上の前歯が下の前歯よりも前方に突出している状態です。上顎前突とも呼ばれます。この状態は無意識のうちに口が開いてしまい、口内が乾燥しやすくなることで不衛生な状態を招くことがあります。
また、食べ物を噛み切るという前歯の本来の機能も低下します。インビザラインは出っ歯にも対応可能です。
受け口
受け口は、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態です。下顎前突とも呼ばれます。サ行・タ行が発音しにくくなることや、効率的な咀嚼が困難になることがあります。
骨格に問題がある場合には、外科的手術が必要になる場合もありますが、インビザラインで改善が見込めるケースもあります。
叢生
叢生は、スペース不足により歯が重なってガタガタになっている状態です。歯が重なっている部分に汚れが蓄積し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。インビザライン治療は、叢生の改善にも期待できます。
すきっ歯
すきっ歯は、歯と歯の間に隙間がある状態です。空隙歯列とも呼ばれます。歯と歯の間に隙間があることで食べ物が詰まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
乳歯列期における軽度のすきっ歯は一般的に心配する必要はなく、多くの場合、永久歯に生えかわる過程で自然と改善されるでしょう。インビザライン治療は、成人におけるすきっ歯の問題を効果的に改善する治療法として選ばれています。
インビザラインで噛み合わせが悪くなるケース
インビザラインで噛み合わせが悪くなる原因には、以下のようなものが考えられます。
治療過程によるもの
インビザライン治療中、歯が理想の位置に移動する過程で一時的に噛み合わせが悪くなることがあります。これは、上下の歯がまだ完全に適切な位置に調整されていないために起こりますが、治療が進むにつれて、噛み合わせは徐々に改善されるでしょう。
さらに、インビザラインのマウスピースを装着している間は、上下の歯の間にマウスピースがあることで歯同士が接触しない状態が作り出されます。そのため、マウスピースを外した直後には噛み合わせに違和感をおぼえることがあるのです。
この違和感も一時的なものであり、通常は心配する必要はありません。治療が完了しても噛み合わせに違和感が残る場合は、歯科医師との相談のもとで調整が行われることがあります。
マウスピースを正しく装着できていない
インビザライン矯正では、マウスピースを正しく装着することが非常に重要です。マウスピースは歯にしっかりと密着させなければなりません。しっかりと密着することで、正しい力が歯に加わり、歯並び・噛み合わせが整います。
しかし、マウスピースが歯にきちんとフィットせず、ズレたり浮いたりしてしまうと、矯正力が歯に伝わらず、結果的に歯並びや噛み合わせが悪化するリスクがあるのです。
噛みしめや歯ぎしりの癖がある
インビザライン治療中に噛みしめや歯ぎしりの癖があると、マウスピースが変形するリスクがあります。
変形したマウスピースを使用し続けると、歯が計画通りに移動せず、間違った位置へと導かれる可能性があります。これが原因で噛み合わせに問題が生じることがあるのです。
噛みしめや歯ぎしりが激しい場合には、インビザラインよりもワイヤー矯正をすすめられることもあります。このような癖がある場合は、必ず歯科医師に相談し、ご自身に合った治療方法を選択することが重要です。
マウスピースの装着時間が短い
インビザライン治療を成功させるためには、マウスピースの装着時間を守ることも非常に重要です。マウスピースは1日に20〜22時間装着する必要があり、食事や歯磨きの時間を除いて、ほぼ一日中装着することが求められます。
マウスピースの装着時間を守らない場合、歯に与えるべき矯正力が十分に作用せず、治療計画どおりに歯が動きません。その結果、矯正が中途半端になり、噛み合わせに不具合が生じる可能性があるのです。
インビザライン中に噛み合わせが悪いと感じたら
インビザライン矯正中に噛み合わせが悪いと感じたら早めに対処することが重要です。
インビザライン矯正中に噛み合わせが悪いと感じたら、以下のような方法で対応してください。
マウスピースを正しく装着できているか確認する
インビザライン矯正中に噛み合わせに違和感をおぼえたら、マウスピースを正しく装着できているか確認しましょう。上述のとおり、マウスピースは歯にしっかりと密着させなければ矯正力が働きません。
そのため、マウスピースの装着時には、アライナーチューイーの使用が推奨されます。アライナーチューイーとは、マウスピース装着時に使用するシリコン製のチューブです。
マウスピースを装着するときにアライナーチューイーを噛むことで、マウスピースを歯にしっかりと密着させることができます。
マウスピースが変形・破損していないか確認する
インビザライン矯正中に噛み合わせが悪いと感じたら、マウスピース自体の変形や破損がないかを確認しましょう。
マウスピースが変形していたり割れていたりすると、正しく歯にフィットせず、適切な力が歯に加わりません。計画とは異なる方向に歯が移動し、噛み合わせの悪化を引き起こすことがあります。
もしマウスピースに変形や破損を見つけた場合は、そのまま使用を続けずに直ちに歯科医師に相談してください。状態によってはマウスピースの作り直しが必要になる場合もあるでしょう。
マウスピースの装着時間を見直す
マウスピースの装着時間が守られているかを見直すことも重要です。計画どおりに治療を進めるためには、マウスピースを1日に20〜22時間装着する必要があります。
装着時間が十分でないと、予定通りに歯が動かず、噛み合わせに悪影響を及ぼすことがあります。もし、マウスピースの装着時間を守れていなかった場合には、意識して装着時間を守るよう努めましょう。
歯科医師に相談する
マウスピースの装着時間を守り、正しく装着しているにもかかわらず噛み合わせのずれを感じる場合は、速やかに歯科医師に相談することが重要です。
歯の動きや噛み合わせの状態を歯科医師にチェックしてもらうことで、噛み合わせに違和感をおぼえる原因を特定できるでしょう。
まとめ
インビザラインでは、見た目の改善だけでなく、さまざまな噛み合わせの問題も改善できます。
しかし、インビザライン治療中に噛み合わせが悪くなるケースもあります。これはマウスピースの装着時間が不十分であったり、マウスピースが正しく装着されていなかったりすることによるものです。
また、歯を動かしている途中で一時的に噛み合わせが悪いと感じることもあります。
インビザライン矯正中に噛み合わせが悪いと感じたら、マウスピースの状態をチェックし、適切に装着できているか確認することが大切です。改善されない場合は、歯科医師に相談しましょう。
インビザラインを検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。