こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
インビザライン矯正で出っ歯を治療することはできるのか、気になる方もいるでしょう。多くの症例に対応できるインビザラインですが、症状が重度で骨格に問題を抱えている歯並びなど、インビザラインだけでは治療できないケースがあることも事実です。
この記事では、インビザラインで治療できる出っ歯のケースや、どのように治療を進めてくのかについて詳しく解説します。また、治療期間や費用の目安も紹介しているので、治療を検討している方は参考にしてください。
目次
出っ歯とは?
出っ歯とは、上顎や前歯が正常な位置よりも前に出ている状態です。不正咬合と呼ばれる歯並びや咬み合わせの異常の一つで、上顎前突とも呼ばれます。
見た目がコンプレックスになるだけでなく、口をしっかりと閉じるのが難しいこともあるため、前歯でものを噛み切れないといった症状による悩みを抱える方もいます。
上の前歯は、下の前歯より2〜3mm程度前に出ているのが正常です。4mm以上出ていれば出っ歯の傾向があるとされ、7〜8mm以上出ている場合は治療対象と判断されます。
また、出っ歯は以下の3種類に分けられます。
- 歯槽性(歯並びが原因)
- 骨格性(顎の骨の発達や位置が原因)
- 歯槽性と骨格性の混合型
歯槽性の出っ歯は、顎の骨には問題がなく前歯の傾斜によって前歯が突出した状態です。骨格性の出っ歯は、上顎の骨が異常に発達して前に出ていたり、下顎が後ろに下がっていたりすることで顎の骨の位置がずれて、上の前歯が出ている状態です。
最も多いのは、歯槽性と骨格性の両方を併せ持つ混合型の出っ歯です。歯並びや顎骨の異常の程度は個人差が大きいため、出っ歯の原因の正確な診断は歯科医院で検査をして行います。
インビザラインで出っ歯は治療できる?
結論からお伝えすると、歯槽性の出っ歯や軽度の骨格性の出っ歯であれば、インビザラインで治療することができます。
歯槽性の出っ歯の場合、インビザラインで前歯の角度を調節することで、治療可能です。軽度の骨格性の出っ歯の場合は、歯列全体を後方に動かす方法と、抜歯により歯を並べるスペースを確保し、前歯を後退させる方法があります。
重度の骨格性の出っ歯や歯を大きく移動させる必要がある出っ歯は、インビザラインでの治療は難しいと考えられます。重度の骨格性の出っ歯は外科手術が必要なことが多いです。また、手術後の治療にはワイヤー矯正を選ぶのが一般的です。
インビザラインで出っ歯を治療するメリットとは?
インビザラインで出っ歯を治療するメリットは、以下のとおりです。
- 装置が透明で目立たない
- 取り外しができる
- 痛みや違和感が少ない
- 通院が少ない
インビザライン矯正では、透明なマウスピースを装着して少しずつ歯を動かします。一日20〜22時間以上マウスピースを装着する必要はありますが、装置が目立ちにくいためあまり見た目を気にせず矯正できます。
また、インビザラインのマウスピースは、ご自身で取り外すことができます。食事や歯磨きがしやすい点も大きなメリットでしょう。
ワイヤー矯正と比べて痛みや違和感が少ない点も、メリットの一つです。通院頻度も基本的には2〜3か月に一度のため負担が少なく、治療に対するハードルを下げることができます。
インビザラインで出っ歯を治療するデメリットとは?
出っ歯をインビザラインで治療すると多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。インビザラインで治療するデメリットは、以下のとおりです。
- 治療できないケースがある
- マウスピースの管理が必要
インビザラインは多くの症例に対応できる矯正方法ですが、対応できないケースも存在します。
インビザラインは歯を大きく平行移動させるのは苦手なこと、顎の骨の位置を変えられないことから、治療できない症例があるのです。
大きく移動させたり抜歯したりする必要がある重度の出っ歯や、顎の骨のズレが大きい重度の骨格性の出っ歯などは、インビザラインだけでは対応できないでしょう。他の治療方法を選択・併用する必要があります。
また、インビザラインではマウスピースを自己管理する必要があります。マウスピースの装着時間や交換のタイミングを守ることを前提に治療計画が立てられているため、守れない場合は治療計画通りに歯が動きません。
保管が適切でなかったり誤った方法で着脱したりすると、マウスピースが変形・破損する恐れがあります。マウスピースの自己管理が適切にできない場合、治療をスムーズに進めることができないでしょう。
インビザラインで出っ歯を治療する方法
インビザラインで出っ歯を治療するとき、抜歯が必要かどうかは歯並びの状態によって異なります。出っ歯の状態が重度であり、歯を移動させるスペースがない場合は、抜歯が必要になる可能性が高いでしょう。
抜歯の有無で分けて、どのように治療を進めていくのか詳しく解説していきます。
抜歯ありの場合
歯並びの乱れが重度の場合、抜歯して歯をきれいに収めることが多いです。一般的に矯正治療では、前歯から数えて4番目にある小臼歯(第一小臼歯)を抜歯します。
奥歯と前歯の真ん中にある歯を抜けば、歯全体の移動量が少なくなるためです。また、第一小臼歯は前歯や奥歯に比べて機能的な役割が少なく、咀嚼や発音への影響を最小限にできることも理由の一つです。
他にも、むし歯・歯周病が重度の歯や歯並びに影響を与えている親知らずなどは、抜歯をしたほうがいい場合もあるでしょう。
抜歯なしの場合
歯を移動させるスペースが十分に確保できる場合、抜歯は必要ありません。奥歯から順番に後ろに移動させて隙間を作り、徐々に前歯部分に隙間を作って出っ歯を収めます。
また、スペース不足がわずかで、IPRと呼ばれる歯と歯の間を削る処置をすることでスペースを確保できる場合も、抜歯は必要ありません。
健康な歯を抜くことに抵抗がある方も多いでしょう。抜歯なしで対応できれば、患者さまの負担を大きく減らすことができます。
インビザラインで出っ歯を治療する場合の期間
インビザラインで出っ歯を治療する場合、治療期間の目安は2年〜3年程度です。治療が終わると、後戻りを抑えるために保定装置を装着する必要があります。矯正後の保定期間も、矯正にかかった期間と同程度かかると考えておきましょう。
軽度の場合は1年程度で治療が終わることもあります。治療前のカウンセリングで出っ歯の状態や、予想される治療期間を確認してください。
また、治療期間を最小限に抑えるためには、マウスピースの装着時間を守ることが重要です。インビザラインはマウスピースの装着時間が治療結果に大きく影響します。
治療期間を長引かせず理想の仕上がりにするために、指示された装着時間はきちんと守りましょう。
インビザラインで出っ歯を治療する場合の費用
インビザラインで出っ歯を治療する場合、費用の目安は部分矯正で40〜50万円、全体矯正で80〜130万円です。別途、診断や検査料、調整料等が必要な場合もあります。
全てを含んだ費用を提示している歯科医院もありますが、治療を受ける歯科医院によって異なります。治療前に必ず全体でかかる費用を確認しましょう。
思いの外費用がかかってしまった、支払いができず治療が続けられないなどのトラブルに発展しないよう、事前の確認をしっかりすることが大切です。
まとめ
今回は、インビザラインでの出っ歯の治療について解説しました。出っ歯には種類があり、インビザラインで治療できるのは歯槽性の出っ歯や軽度の骨格性の出っ歯です。
重度の骨格性の出っ歯や歯を大きく歯を移動させる必要があるケースの場合は、インビザラインで対応できないため注意しましょう。出っ歯の状態は個人差が大きいため、治療できるかどうかはご自身で判断せず、歯科医院で確認してもらってください。
また、抜歯をするかどうかの判断も、治療結果に大きく影響するためとても重要です。インビザラインで治療するメリット・デメリットを正しく理解し、治療期間や費用の目安を知ることで、自分に合った治療方法を見つけることができるでしょう。
インビザラインを検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。