こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
「口が開きづらい」「口の開閉時に変な音がする」などの症状がある場合、顎関節症かもしれません。顎関節症とは、なんらかの原因で顎関節にトラブルが起き、違和感や痛みが出る病気のことです。
顎関節症はお口の中のトラブルだけが原因ではなく、生活習慣によっても発症することがあります。顎関節症の原因を知り、日頃から予防することが大切といえるでしょう。
この記事では、顎関節症の症状や原因、健康リスクなどについて解説します。顎関節症の人がやってはいけないこともご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
顎関節症とは?
顎関節症とは、口を開ける際に違和感や痛みが出る病気のことです。口の開閉時に異音が鳴ったり、口が開きづらかったりする場合もあります。
顎関節とは、下顎から頭蓋骨につながる筋肉と関節内の関節円板、じん帯などの総称です。顎関節に問題がなければ、咀嚼する・飲み込む・話すなどがスムーズに行えます。
しかし、何らかの原因で顎関節が動きにくくなれば、違和感や痛み、異音が出ることがあるのです。
顎関節症は20~30代に多く、珍しい病気ではありません。軽度の顎関節症であれば自然に治ることが多いものの、重度になると日常生活に支障をきたす場合もあります。そのため、放置せず、症状が出始めた時点で歯科を受診するのがよいでしょう。
顎関節症の症状
ここでは、顎関節症の主な症状3つを解説します。
口の開閉時に違和感・痛みが出る
口を開けると、耳の前あたりに違和感や痛みが出ることがあります。頬や顎、頭の横などを手や指で押すと、筋肉に痛みやだるさを感じる場合もあるでしょう。
顎を動かすと異音が鳴る
下顎を動かしたり口を開閉したりする際に、耳の横あたりから「パキ」「ジャリ」「カク」といった異音が鳴る場合もあります。顎関節内の関節円板がズレていることが原因です。
異音が鳴るだけで痛みのない方もいらっしゃいますが、痛みを併発しているケースも少なくありません。
口が開きづらい
顎関節症による痛みにより、口が開きづらくなる場合があります。口は指3本分程度空くのが通常ですが、顎関節症になると1~2本分しか口が開かなくなります。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は、はっきりわかっていません。顎関節症の原因は1つではなく、複数の要因が重なることが多いためです。
ここでは、顎関節症の主な原因を5つ解説します。
TCH(上下歯列接触癖)
顎関節症の主な原因は、上下の噛み合わせの異常です。通常、食事以外の時間、上下の歯は接触しません。
しかし、勉強や仕事に集中している際に、無意識に上下の歯を噛み合わせるTCH(上下歯列接触癖)があると、顎関節症を発症しやすいといわれています。上下の歯が長時間接触することで、顎関節に負担がかかるからです。
TCHは歯並びや噛み合わせが悪化する原因でもあるため、意識的に歯を離しましょう。
歯ぎしり・食いしばりの癖
TCHと同じように、就寝中に歯ぎしり・食いしばり癖がある場合も注意が必要です。寝ている間に歯ぎしり・食いしばり癖を行っている場合、TCHの倍以上の負担が顎関節にかかるといわれています。
歯ぎしり・食いしばりの癖を放置していると、歯の擦り減りや顎の骨の吸収がすすみ、虫歯や歯周病のリスクも高まるといわれています。顎関節症だけでなく、歯の寿命を縮めるおそれがありますので、早めに対処する必要があります。
歯並びや噛み合わせ
歯並びや噛み合わせが悪ければ、顎関節症を発症する場合があります。噛む負担が一部にだけかかり、顎関節に悪影響を与えるからです。
また、詰め物や被せ物、入れ歯などがお口に合っていない場合も、上下の歯が上手く噛み合わず顎関節症の一因になる場合があります。虫歯や歯周病治療が終わっても、定期的に噛み合わせの確認をすることが大切です。
精神的な緊張やストレス
顎関節症は、お口の中のトラブルだけが原因ではありません。精神的な緊張やストレスにより筋肉がこわばると、顎関節症を発症することがあります。また、ストレスによって歯ぎしり・食いしばりの癖やTCHが誘発される場合もあります。
顎関節症の治療や予防には、心身を健康に保つよう意識することも大切です。
生活習慣
顎関節症は、生活習慣が原因の場合もあります。
- 頬杖をつく
- 横向き寝・うつぶせ寝
- 片方の歯で噛む
- 運動不足
- 睡眠不足
頬杖や横向き寝・うつぶせ寝、片方の歯でばかり噛む癖などがあると、顎関節に負担がかかり顎関節症を発症することがあります。また、運動不足や睡眠不足も顎関節症の要因の1つです。
例えば、デスクワークの場合、画面を見る際に猫背になったり前のめりになったりすることで、筋肉が凝り固まり顎関節に負担がかかりやすくなります。
運動不足になることで筋肉が凝り固まり、顎関節症が悪化する場合もあるでしょう。また、睡眠不足になると、歯ぎしり・食いしばりを誘発するといわれています。
このように、生活習慣によって顎関節症が発症・悪化する場合があるのです。そのため、顎関節症の予防や改善のためには、生活習慣を整えることが欠かせません。
顎関節症の人がやってはいけないこと
顎関節症の場合、日々の過ごし方によって症状が悪化する場合があります。特に、以下のようなことは避けるようにしましょう。
- 無理に口を開ける
- 硬いものを噛む
- ガムを噛む
- 噛みしめる
- 悪い姿勢
顎関節症で違和感や痛みが出ている場合、無理に大きく口を開けたり、あくびをしたりするのは控えましょう。また、硬いものを噛んだりガムを長時間噛んだりすることも避けたほうが良いでしょう。
無理に顎を動かすと顎関節に負担がかかり、痛みがひどくなる場合があります。症状が出ている場合は極力安静にして、麺料理や煮込み料理などのやわらかい食事を用意しましょう。
上下の歯を噛みしめる癖がある場合、上下の歯を噛み合わさないよう意識的に改善してください。無意識に行うため改善が難しいですが、噛みしめない・上下の歯を離すと書いた紙を目に入るところに貼ると、気付けるかもしれません。
頬杖やうつぶせ寝なども、顎関節症を悪化させる要因なので改善したほうが良いでしょう。規則正しい生活と正しい姿勢を心がけ、顎関節に負担を与えないようにしましょう。
顎関節症が及ぼす健康リスク
顎関節症をそのまま放置していると、口がほとんど開かなくなったり、顎が変形したりする場合があります。関節円板のズレやじん帯の損傷により、顎関節症が重症化するおそれがあるのです。
また、お口の中のトラブルだけでなく、全身の健康を害する可能性もあります。例えば、頭痛や肩こり、耳の痛み、めまい、耳鳴り、腰痛などです。
顎関節症になっても「食事ができるから」「痛みはないから」と放置してしまう方がいますが、顎関節は顎から頭や首、肩につながっています。そのため、全身の健康を害する可能性があるのです。
症状が重くなると、日常生活に支障が出るだけでなく全身の不調により気分が落ち込む場合もあります。顎関節症は体にも心にも悪影響を与えかねないため、症状に気付いた時点で歯科を受診するようにしましょう。
顎関節症の治療方法
顎関節症の治療方法は、歯科医院での治療法だけでなく生活習慣を整えることも大切です。ここでは、顎関節症の治療方法について解説します。
スプリント療法
スプリント療法とは、就寝中にマウスピースを装着し、歯ぎしり・食いしばりの癖を改善する治療法です。ズレた顎の位置を修正する効果や、顎関節に力が入りにくくなる効果も得られます。
また、上下の歯の間にマウスピースが入ることで、歯や歯茎への負担をやわらげられるでしょう。
薬物療法
顎関節症による痛みがひどい場合には、薬を使用する場合があります。内服薬や貼り薬、塗り薬などさまざまな種類があり、症状に応じて医師が処方します。
理学療法やマッサージ
理学療法では、顎関節に電気を流す電気療法や温熱療法、マッサージなどを行います。こわばったお口周りの筋肉をゆるめて、顎の動きをスムーズにする効果が期待できます。
また、血流も改善するので、違和感や痛みが軽減することもあるでしょう。
噛み合わせの調整
顎関節症の原因が歯並びや噛み合わせの場合、まずは咬合調整を行います。顎関節に負担がかかりにくくなれば、症状の改善が期待できるでしょう。
ただし、詰め物や被せ物、入れ歯が合っていない場合は作り直しが必要かもしれません。全体的な歯並び・噛み合わせが悪い場合には、矯正治療を受けることも選択肢の1つです。
生活習慣の改善
先述したように、顎関節症はお口の中のトラブルだけが原因ではありません。ストレスや姿勢、生活習慣も要因であるため、歯科医院での治療と並行してセルフケアを行うことも大切です。
- ストレスを溜めない
- 長時間パソコンやスマホを見ない
- 姿勢の改善
- 適度な運動を心がける
- 睡眠時間を確保する
- アルコールを控える
顎関節症が発症したり悪化したりすることがあるため、ストレスを溜めないことを意識しましょう。例えば、趣味を楽しんだり、週に1~2回運動したり、ストレスを発散することを意識してください。
また、デスクワークが多い方やスマホをよく見る方は、顎関節症に負担がかかりやすいといえます。パソコンやスマホを触る際は30分と定めたり、途中でストレッチを挟んだりして対策しましょう。
寝る前は入浴して体を温めたり、体に合った寝具を揃えたりするなど、就寝環境を整えることも有効です。特に、アルコールを摂取すると睡眠が浅くなり、歯ぎしり・食いしばりを誘発するといわれています。
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は、アルコールの飲み過ぎには注意しましょう。
まとめ
顎関節症とは、口の開閉時に違和感や痛みが出たり、異音が鳴ったりする病気のことです。口が開きにくくなる方も少なくありません。
顎関節症の主な原因は、噛み合わせの異常やストレス、歯ぎしり・食いしばりの癖などですが、原因は1つだけでなく、複数の要因が合わさって発症するといわれています。顎関節症を改善するには、歯科医院での治療とセルフケアを同時に行うことが大切です。
顎関節症を放置していると、口が開かなくなったり、顎が変形したりすることもあります。症状に気付いた時点ですぐに歯科を受診しましょう。
顎関節症の治療を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。 当院では、予防歯科とマウスピース矯正に力を入れています。虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯治療、インプラント治療なども行っています。当院のホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますのでご覧ください。