こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。

子供にはしっかり歯磨きをして、甘いものを控えているという保護者の方は多いでしょう。

しかし、どれだけ気をつけていても乳歯が虫歯になることはあります。乳歯はいつか抜けて永久歯に生え変わることから、治療するべきか迷うかもしれません。

乳歯の虫歯を治療しないと、永久歯にまで悪影響を及ぼすことがあります。そのため、早めに歯科を受診することが大切です。

今回は、乳歯の虫歯について、実際の治療の流れや治療を受ける上での注意点を詳しく解説しています。乳歯の虫歯を予防する方法も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

乳歯も虫歯になる

永久歯と同じように、乳歯も虫歯になります。乳歯は永久歯に比べてエナメル質や象牙質が薄く、エナメル質は永久歯の約半分しかありません。エナメル質は虫歯の原因となる菌や酸から歯を守っているため、エナメル質が薄いと虫歯になりやすいです。

さらに、乳歯はやわらかい歯質のため、虫歯の進行が早いのが特徴です。

乳歯の虫歯を治療しないとどうなる？

乳歯はやがて永久歯に生え変わるため、治療の必要はないと考える方も中にはいらっしゃるでしょう。

しかし、乳歯の虫歯を放置するのは非常に危険です。ここでは、乳歯の虫歯を治療しないとどうなるか詳しく解説します。

永久歯に悪影響を及ぼす

乳歯の虫歯を治療しないと、永久歯に影響を及ぼすことがあります。虫歯菌が増殖して口の中に広がると、乳歯が抜けたあとに生えてくる永久歯も虫歯菌に感染しやすい状態になるでしょう。

さらに、乳歯の虫歯を治療しないと、虫歯の進行が進み歯の根っこの部分に膿が溜まります。永久歯は乳歯の下で育っていくので、変色したりエナメル質が十分に形成されなかったり、永久歯の成長に影響を及ぼすリスクがあるのです。

エナメル質が薄いと虫歯の進行が早くなるため、お子さまが何十年も使う永久歯に大きな影響を及ぼすといえるでしょう。

歯並びが悪くなる

乳歯の虫歯を治療しないと、早い段階で乳歯が抜け落ちることがあります。この場合、抜けた歯の両隣の歯が傾いたり、位置がずれることがあるでしょう。

永久歯が生えるための十分なスペースを確保できなくなると、歯並びが悪くなります。

顎の発達に影響が出る

虫歯で痛みや違和感があると、虫歯の乳歯を避けて噛む癖がつきます。片側の歯で噛む癖がつくとバランスよく顎を使うことができず、顎が十分に発達しないリスクがあるでしょう。

顎のバランスが悪くなると噛む力が弱くなるだけでなく、顔の歪みにもつながるため注意が必要です。

乳歯の虫歯の治療の流れ

乳歯が虫歯になったとき、歯科での治療はどのような流れで進むのでしょうか。ここでは、乳歯の虫歯の治療の流れを順に解説します。

口内の観察とクリーニング

重度の虫歯など、緊急で治療が必要な場合を除いて、まずは歯科治療の雰囲気に慣れてもらうことから始めます。小さいお子さまの場合、恐怖心から泣いてしまい、治療をスムーズに進められないことが多いためです。

無理に治療に踏み切ると歯科医院に対する恐怖心が大きくなり、治療拒否が長引く可能性があるでしょう。そのため、無理やり抑えて治療をすることは避けるべきです。

治療で使う器具を近くで見せてわかりやすく説明し、歯科医院の雰囲気に慣れてもらうことが治療の第一歩と考えましょう。お子さまが治療に前向きになれるようであれば、口内の診査や歯ブラシでのクリーニングを行います。

進行度別の治療

お子さまが治療に取り組めるようであれば、乳歯の虫歯を治療していきます。治療方法は虫歯の進行度によって異なります。

初期虫歯

初期の虫歯の場合、削る治療はせずにフッ素の塗布で経過を観察します。保護者の方に自宅でのケアのポイントを指導し、食事についてもアドバイスを行います。初期の段階では、フッ素塗布とケアで自然に改善されるケースも少なくありません。

また、シーラントと呼ばれるプラスチックで歯の溝を埋める処置をすることもあります。これは主に奥歯に対する治療で、食べかすが残りやすく磨きにくい奥歯の溝を埋める処置です。

軽度〜中等度の虫歯

虫歯が軽度〜中等度であれば、虫歯の部分を軽く削ります。歯を削る場合、お子さまが治療の必要性を理解していることが大切です。

削った部分には、レジンと呼ばれるプラスチックを詰めたり、型取りをして詰め物を入れたりします。

重度の虫歯

重度の虫歯の場合、虫歯菌に侵された神経を取り除いたり、場合によっては抜歯をしたりすることがあります。お子さまに大きな負担がかかる治療であることは間違いなく、全てのケースで行えるわけではありません。

乳歯の虫歯を治療するときの注意点

治療の流れでお伝えしたように、歯科治療にはお子さまの理解や前向きな気持ちが必要になります。そのため、おうちでの声かけや、歯科の印象づけが非常に大切です。

ここでは、乳歯の虫歯を治療するときの注意点について解説します。

治療のタイミング

お子さまの場合、歯科治療に慣れることが非常に大切です。虫歯の治療前から定期的に歯科を受診して、口内のチェックやクリーニングをしているとスムーズに治療に入ることができます。

虫歯になったら連れて行かれる怖い場所ではなく、定期的に通う楽しい雰囲気の場所という印象を持ってもらうようにしましょう。

また、乳歯の虫歯の治療は、お子さまの体調や機嫌が良いことが多い午前中に受けるよう推奨されています。お昼寝のタイミングや遊び疲れた後だと機嫌が悪いことが予想されるので、予約する時間帯にも気をつけましょう。

おうちでの声かけ

歯磨きを嫌がるお子さまに「歯磨きをしないと歯医者さんで痛い治療を受けないといけなくなる」などの声掛けをされる方がいます。お子さまは恐怖で歯磨きをするようになるかもしれませんが、歯科治療に前向きに取り組めるようにはなりません。

歯は一生使う大切なものであり、歯科は歯を守るためのお手伝いをする場所ということを伝えましょう。お子さまが前向きに治療に取り組む姿勢を作れるように拘ることが大切です。

治療後のケア

歯科での治療後は、食事や飲み物を口にできる時間が決まっていることがあります。また、激しい運動や入浴を避けるなどの指示が出ることもあるでしょう。

歯科医師からの指示をよく聞き、治療後は頑張ったお子さまを褒めてあげてください。

乳歯の虫歯を予防する方法

生まれたばかりの赤ちゃんの口内には、虫歯菌は存在しません。虫歯は普段の生活習慣に深い繋がりがあり、虫歯になりにくい生活習慣を身につけると乳歯の虫歯のリスクを減らせます。

ここでは、乳歯の虫歯を予防する方法を解説します。

虫歯菌の感染を防ぐ

虫歯菌は、唾液を介して人から人へと感染します。食器・箸の共有やキス、口移しで食べさせることが感染の原因と言われていましたが、このような行為で必ず虫歯菌が移行するわけではありません。

また、離乳食が始まる前の赤ちゃん、つまり食器の共有をしたことがない赤ちゃんの口内に、親の口腔細菌が移行しているケースもあります。日々のコミュニケーションやスキンシップで感染していると考えられるため、保育者の口腔環境を整えることが重要です。

唾液を介した感染を防ぎながら、お子さまと触れ合うご家族も歯科で口腔状態を管理しましょう。具体的には、4ヶ月〜半年に一度は歯科を受診し、口内を清潔に保ってください。

食事やおやつの時間を決める

普段、口内のpHは中性に保たれています。食事をするとpHが酸性に傾き、歯の表面が溶け出します。食後30分〜1時間かけて、口内のpHはゆっくりと中性に戻ります。中性に戻る過程で、唾液が溶け出したカルシウムやリン酸を再び歯に取り込む再石灰化が起こります。

しかし、食事に加えておやつを頻繁に食べるなど、食べる回数が増えると歯が溶け出す速度に再石灰化が追いつかず、虫歯になってしまいます。口の中に常に食べ物があるだらだら食べを避けることで、虫歯を予防できるでしょう。

歯磨き習慣をつける

歯磨きは乳歯の虫歯の予防に非常に大切です。小さい頃から、食事の後や寝る前に歯を磨く習慣をつけることで、虫歯菌が増えるのを予防しましょう。

正しいブラッシング方法を身につけることも大切です。まだ自分で歯を磨くことが難しい年齢の場合、保護者の方が歯科で正しいブラッシング方法の指導を受けましょう。

お子さまの歯にあった方法でブラッシングすれば、虫歯を予防することができます。フロスで歯と歯の間に溜まった汚れを取り除くことも、乳歯の虫歯の予防に効果的です。

まとめ

今回は、乳歯の虫歯を治療しないとどうなるかについて、治療の流れや注意点、予防方法とあわせて解説しました。大切なのは、虫歯があるとわかったらすぐに歯科を受診することです。

「乳歯の虫歯は治療しない」と耳にすることがあるかもしれませんが、口内の状況やお子さまの心身の成長度合いなどによって対応は変わります。歯科医師が乳歯の状態を見て治療をせず経過観察と判断することもありますが、その場合も口内のクリーニングやフッ素塗布は実施するでしょう。

口内の状態を確認せずに治療方針を決めることはできません。乳歯に異常がみられた場合は、早急に歯科医院を受診しましょう。また、虫歯になる前から定期的に歯科医院を受診し、歯科に慣れてもらうことも非常に重要です。

乳歯の虫歯の治療を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、予防歯科とマウスピース矯正に力を入れています。虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯治療、インプラント治療なども行っています。当院のホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますのでご覧ください。