こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
子どもの歯並びが気になって歯科医院を受診したときに、床矯正という治療をすすめられたという保護者の方がいるのではないでしょうか。
なかには「床矯正とはどのような治療なの?」「床矯正にはどのようなメリットがあるの?」などといった疑問をおもちの方もいるでしょう。
今回は、床矯正とはどのような治療法か詳しく解説します。床矯正のメリットやデメリット、費用、治療期間についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
床矯正とは
床矯正(しょうきょうせい)とは、取り外しが可能な矯正装置を使って顎の成長をコントロールしながら歯を並べるスペースを確保する矯正方法です。
顎が小さいと、歯がきれいに並ぶためのスペースを確保できず、狭いスペースで歯が押し合って凸凹とした歯並びになる可能性があります。矯正治療において、歯を並べるスペースが不足している場合には、健康な歯を抜くのが一般的です。
一方、床矯正では、顎の成長を利用して歯列を広げます。これによって健康な歯を抜かずに歯を並べるスペースを確保できる場合があるのです。
床矯正ではレジンで作られた床にネジが埋め込まれた装置を使用します。このネジを回転させることで少しずつ歯列を広げていきます。使用する装置は、患者さん自身で装着や取り外しを行えるのが特徴です。
床矯正は何歳からできる?
床矯正は主に子どもを対象とした治療で、4〜12歳ごろの乳歯と永久歯が混在している混合歯列期に行われます。顎の成長段階にあるこの時期に床矯正で治療を行うことで、効率よく歯列を広げることができます。
歯の生え具合や歯並び、顎の状態には個人差があります。どのタイミングで矯正治療を開始すべきか悩まれている方は、一度歯科医院で相談しましょう。
床矯正のメリット・デメリット
床矯正には、メリットとデメリットがあります。治療後に後悔しないためにも、メリットだけでなくデメリットについてもしっかり把握しておくことが大切です。
床矯正のメリット
床矯正のメリットは、以下のとおりです。
抜歯せずに歯並びが整う可能性がある
顎が小さく、歯が並ぶスペースが不足していると歯並びが悪くなる可能性があります。歯が並ぶスペースがない場合、抜歯をすることが一般的です。健康な歯を抜くことに抵抗がある方にとって抜歯をしなければならないことはデメリットといえるでしょう。
一方で床矯正では顎の成長を利用して、歯を並べるスペースを確保するため、抜歯をせずに歯が正しい位置に並ぶように促すことができるのです。健康な歯を抜かずに歯並びが整う可能性がある点は大きなメリットといえるでしょう。
また、顎の成長を利用して歯列を拡大しておくことで、将来的にマウスピース矯正やワイヤー矯正での治療が必要になった場合でも、抜歯が不要になる可能性が高いです。
装置は取り外しが可能
床矯正では、入れ歯のような形をした装置を使用します。この装置は、患者さん自身で取り外し可能です。そのため、矯正前と同じように食事や歯磨きができます。装置の取り外しができるため、お子さんへのストレスも少ないでしょう。
痛みが少ない
矯正治療で歯を移動させると強い痛みを感じることが多いです。床矯正では、装置に取り付けられたネジを回し、少しずつ力を加えて歯列を広げていくため、違和感や痛みが出にくいのです。子どもにとって痛みが少ないという点は、大きなメリットといえるでしょう。
むし歯や歯周病になりにくい
固定式の装置の場合、取り外してケアができないため食べかすなどの汚れが装置の周辺に溜まりやすいです。また、歯磨きが難しいため、むし歯や歯周病になるリスクが高くなります。
一方、床矯正で使用する装置は取り外しが可能です。歯磨きなどのケアを普段通りに行えるため、むし歯や歯周病になるリスクを軽減できます。
装置のお手入れがしやすい
装置のお手入れがしやすいこともメリットの一つです。食事や歯磨きの際に取り外し、歯磨きと装置のお手入れを併せて行えるので、口腔内を清潔に保てます。
床矯正のデメリット
床矯正のデメリットは、以下のとおりです。
結果が装着時間に左右される
床矯正で使用する装置は、1日に12〜14時間装着する必要があります。装着時間が短くなると計画どおりに治療が進まず、治療期間が長引いたり、思ったような効果を得られなかったりする可能性があります。
特に子どもの場合は、自分で装置の装着時間を管理することは難しいでしょう。そのため、矯正治療中は保護者の方のサポートが欠かせません。装着を忘れていないか声がけするなどしてサポートしてあげることが大切です。
歯並びの微調整はできない
床矯正は、顎の成長をコントロールしながら歯列を広げて、歯が正しい位置に並ぶように促す治療です。歯の位置を動かして細かく調整することはできないため、床矯正だけで歯並びを完全に整えることは難しいでしょう。
歯並びをきれいに整えたい場合は、床矯正で治療を終えたあとに、マウスピース矯正やワイヤー矯正などで治療を行う必要があります。
滑舌が悪くなることがある
床矯正の装置は入れ歯のような形状をしているため、慣れるまでは違和感を覚えたり滑舌が悪くなったりすることがあります。特に子どもの場合は、これがストレスになる可能性があります。これによって、装置を外してしまうこともあるでしょう。
しかし、毎日装置を装着することで慣れるケースがほとんどです。子どもは適応能力が高いため、1〜2週間程度で慣れていきます。装置に慣れるまでは、保護者の方がサポートしてあげましょう。
後戻りのリスクがある
床矯正での治療が終了しても、さまざまなことが原因で後戻りを起こす可能性があります。例えば、指しゃぶりや舌で歯を押す癖、口呼吸など、歯並びに影響を与える癖が改善されていないと後戻りを起こす可能性があるのです。
後戻りを起こすと、再治療が必要になる場合もあります。後戻りを防ぐためには、歯並びに影響を及ぼす癖を改善することや、歯科医師の指示に従って定期的に通院することが大切です。
治療期間が長くなることがある
床矯正は顎の成長を利用した治療です。顎の成長具合には個人差があるため、場合によっては予定よりも治療期間が長くなることがあります。
床矯正の費用と期間の目安
床矯正で治療する場合、費用と治療期間はどれくらいなのか気になっている方もいるでしょう。
床矯正をはじめとした矯正治療は、基本的に保険が適用されません。自費治療になるため、歯科医院によって費用は異なりますが、費用の相場は約30万〜40万円です。ほかの矯正方法に比べると費用が安いケースが多いでしょう。
治療期間は治療を開始する時期や顎の成長スピードなどによって異なりますが、1年〜3年程度です。早ければ、6か月程度で終了することもあります。
ただし、装置を外す時間が長くなると計画どおりに治療が進まなくなり、治療期間が延びる可能性があります。
適切なタイミングで床矯正を始めることで、2期治療なしで歯並びが整う可能性があるため、長期的に見るとコストパフォーマンスが高い治療法といえるでしょう。また、2期治療が必要になったとしても、土台ができていれば、治療期間を短縮できる可能性があります。
床矯正の費用や治療期間は、お子さんの顎の成長具合によって異なるため、詳しく知りたい方は歯科医院で確認しましょう。
まとめ
床矯正とは、子どもの顎の成長を利用して歯が並ぶスペースを確保する矯正方法です。
一般的な矯正治療とは異なり、少しずつ歯列を広げてバランスを整えるため、違和感や痛みが出にくいです。適切なタイミングで治療を開始すれば、抜歯せずに歯が並ぶスペースを確保できる可能性があります。
メリットの多い治療法ですが、デメリットもあります。床矯正を検討している方は、将来的に後悔しないためにも、メリットだけでなくデメリットについてもしっかり理解しておきましょう。
小児矯正を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、予防歯科とマウスピース矯正に力を入れています。虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯治療、インプラント治療なども行っています。当院のホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますのでご覧ください。