こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
MFTは、口や顔の筋肉を正しく機能させるためのトレーニングで、歯並びや口腔機能の改善に役立ちます。歯科医院でMFTをすすめられたけれど、どのような方法なのか疑問に感じている方もいるでしょう。
そこで本記事では、MFTトレーニングの基本的な方法や適切な頻度、所要時間などについて解説します。MFTのトレーニング方法に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
MFT(口腔筋機能療法)の目的

MFTの目的は、口や顔の筋肉を正しく使えるようにして、あごの成長をサポートすることです。周りの筋肉は、話す・飲み込む・呼吸するといった日常の基本的な動作に深く関わっています。
しかし、舌の位置が正しくない、口呼吸が習慣化しているなどといった問題があると、歯並びやあごの成長に悪影響を及ぼすことがあります。
MFTは、これらの問題を解消するためにおこなうトレーニングです。舌や唇、頬の筋肉をバランスよく使えるようにトレーニングをおこなって、安静時の自然な口の状態や正しい舌の位置を習得することを目指します。
MFTによって悪習癖を改善することで、歯列矯正の効果を高めたり、睡眠時無呼吸症候群のリスクを軽減したりすることも可能です。MFTは、主に子どもにおこなわれ、早い段階で始めることで、歯並びが乱れるのを予防します。
MFTのトレーニング方法

MFTは、歯科医院での継続的な指導と併用することで、より高い効果が期待できます。患者さんの状態に合わせてプログラムが組まれるため、定期的にアドバイスを受けながら実践することが重要です。以下に、MFTのトレーニング方法について解説します。
スポットポジション
安静時の舌は、上の前歯のうしろ側にあるスポットと呼ばれる位置に接している必要があります。スポットに接していることは、歯並びや口腔機能にとって非常に重要です。
スポットポジションと呼ばれるトレーニングでは、舌を前歯の少しうしろに当てる練習を繰り返しおこないます。
まず、スティックを5秒ほどスポットに当てて、舌の正しい位置を覚えます。その後、スティックを離して、同じ部分を5秒ほど舌で触ります。この動作を5回ほど繰り返しましょう。このトレーニングを続けることで、舌の正しい位置を意識的に維持できるようになります。
ボタントレーニング
口唇の筋力が弱いと、口呼吸になることがあります。このようなときにおこなわれるのが、ボタントレーニングです。
ボタントレーニングとは、大きめのボタンに紐を通したものを唇と歯の間に挟みます。そして、その紐をひっぱりますが、そのときにボタンが口から出ないように力を入れます。このトレーニングを1回30秒、1日3セットほど行います。
このトレーニングをおこなうことで口唇の筋肉が強化され、自然に口を閉じられるようになるでしょう。
スラープ&スワロー
飲み込む動作に問題がある場合は、正しい嚥下方法を学ぶためのトレーニングが必要です。舌を上顎に押し付けながら飲み込む動きを練習することで、舌や口の筋肉を効率的に使えるようになります。スラープ&スワローがこれに当たります。
まず、舌先をスポットにつけた状態で舌全体を上顎に吸い付け、上の犬歯のうしろにストローを置きます。その後、歯を噛み合わせてストローが舌の裏に当たるようにします。
この状態のまま、横からスプレーで水を吹き入れ、奥に水を溜めたら、奥歯を噛んだ状態でゴクンと飲み込みます。このトレーニングを継続することで、正しい嚥下の仕方が身に付くでしょう。
あいうべ体操
顔全体の筋肉を整えるために、表情筋を意識的に動かす運動を行うことも大切です。顔全体の筋肉を鍛えるトレーニングが、あいうべ体操です。
「あ・い・う・べ」という言葉を順番に声を出しながら発音することで、口周りの筋肉を鍛えることができます。それぞれの音を発音するときのポイントは、以下のとおりです。
- 口を大きくあけて「あ」と発音する
- 口を横に広げて「い」と発音する
- 唇を前に突き出して「う」と発音する
- 舌を出して「べ」と発音する
これに加えて、笑顔の練習を取り入れると、より自然な表情を保てるようになります。
MFTのトレーニングの頻度と所要時間

MFTトレーニングは、毎日少しずつ継続することが基本です。1日に必ず1回は、取り組むようにしましょう。食後や歯磨き後におこなうと習慣化しやすく、忘れることを防げます。
1回のトレーニングは、5〜10分程度が目安なので忙しい日常生活のなかでも取り入れやすいのが特徴です。トレーニングの内容や患者さんの状態によっては、頻度と所要時間が異なる場合があるため、歯科医師の指示に従いましょう。
MFTのトレーニングのメリット・デメリット

MFTのトレーニングにはメリットとデメリットがあります。それぞれの特徴を理解したうえでトレーニングを開始するか検討しましょう。
MFTのトレーニングのメリット
MFTは、口や顔の筋肉を正しく機能させるためのトレーニングで、さまざまなメリットがあります。ここでは、MFTトレーニングを行うメリットについて解説します。
歯並びの改善と矯正効果の向上
MFTトレーニングで舌や唇の筋肉を鍛えることで歯並びの改善や矯正治療のサポートに繋がります。
舌の正しい位置を習得することで、歯やあごに不要な力がかかるのを防ぐことができ、矯正治療の効果を高めることが期待できるでしょう。舌や唇の筋力バランスを整えることで矯正治療後の後戻りの防止にも役立ちます。
口呼吸から鼻呼吸への改善
口呼吸は、虫歯や歯周病、口臭の原因になるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。MFTトレーニングでは、鼻呼吸を習慣づけるためのトレーニングをおこなうため、口腔内の乾燥を防ぎながら健康的な呼吸方法を身につけることが可能です。
鼻呼吸の習慣が身に付くことで、日常の疲労感の軽減や睡眠の質の向上も期待できるでしょう。
顔の筋肉バランスが整う
表情筋や口周りの筋肉を鍛えることで、顔全体の筋肉バランスが整い、自然な表情を保ちやすくなります。口元が引き締まることで、見た目の印象も良くなるでしょう。成長期の子どもの場合、適切な骨格の発達を促す役割も果たします。
発音や嚥下の改善
舌や口周りの筋肉を正しく使えるようになると、発音が明瞭になり、嚥下もスムーズにおこなえるようになります。会話や食事がしやすくなるので、より快適に日常生活を送れるようになるでしょう。
MFTのトレーニングのデメリット
MFTは口腔機能の改善に有効なトレーニングですが、デメリットもあります。ここでは、MFTトレーニングを行うデメリットについて解説します。
効果が出るまで時間がかかる
MFTトレーニングは、短期間で変化を期待できるものではありません。正しい筋肉の使い方を習得し、それを習慣化するには数カ月〜1年以上継続してトレーニングを行う必要があるでしょう。癖や習慣は簡単には改善されないため、根気強く取り組む必要があるのです。
お子さんが途中で挫折しないよう、保護者の方がサポートしてあげる必要があるでしょう。
効果には個人差がある
MFTのトレーニングの効果には個人差があります。舌や唇の筋力がもともと弱い方や、長年おこなっている癖がある方は改善に時間がかかる可能性があります。
継続的にトレーニングを行う必要があるため、取り組む時間を確保するのが難しいケースでは効果が現れるまで時間がかかるでしょう。
定期的に通院する必要がある
MFTは、自宅で取り組むことができますが、誤った方法で続けると十分な効果が得られません。そのため、歯科医院を定期的に受診して指導を受けることが重要です。時間や費用面で負担がかかる点はデメリットといえるでしょう。
継続してトレーニングをおこなう必要がある
トレーニングを習慣化するのは簡単ではありません。MFTは長期的な継続により効果が得られるため、モチベーションが下がり途中でやめてしまうケースも少なくありません。お子さんが継続してトレーニングを行えるよう、保護者の方がサポートしてあげましょう。
ほかの治療と併用が必要な場合がある
MFTトレーニングだけで歯並びや噛み合わせを改善することは難しいケースが多いです。そのため、症例によっては歯列矯正や外科的治療など、ほかの治療との併用が必要となるケースもあるでしょう。
治療期間が長くなったり費用がかさんだりする場合がある点は理解しておく必要があります。
まとめ

MFTは、日常生活で簡単に取り入れることができるトレーニングですが、効果を得るためには継続が欠かせません。1回あたり5〜10分、1日1回以上おこなうことで口や顔の筋肉を正しい状態に整えることができます。
また、自宅でトレーニングを行うだけでなく、歯科医院での指導を定期的に受けることで効果的に治療を進められるでしょう。
MFTは、歯並びの改善や口呼吸の解消だけでなく、見た目や発音、健康面にも良い影響を与えます。無理なく続けられる方法を選び、自分に合ったペースで実践しましょう。
MFTトレーニングを検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、予防歯科とマウスピース矯正に力を入れています。虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯治療、インプラント治療なども行っています。当院のホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますのでご覧ください。