こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。

「顎から異音がするだけだから」「我慢できる痛みだから」と、顎関節症を放置していませんか。はじめは軽度な症状でも、放置することで日常生活に支障をきたす場合があります。そのため、顎関節症の症状に気付いたら、放置せず、早急に治療を開始することが大切です。

この記事では、顎関節症を放置することで起こり得るリスクや治療法について詳しく解説していきます。

顎関節症とは

口を開閉するときに、顎の動きに異常が出る症状のことを顎関節症といいます。そもそも顎関節とは、耳の前方にある上顎と下顎をつなぐ関節のことです。左右に1つずつあり、上下の顎のクッションの役割となることで、口の開け閉めがスムーズにできるようになります。

しかし、口を開閉するときにはお口周りの筋肉や顎の骨なども使用するため、いずれかに負荷がかかると、顎関節症の症状が現れることがあります。顎関節症の主な症状は、以下の3つです。

• 顎が痛む
• 口が開きにくい・開かない
• 口の開閉時に異音がする

顎関節につながる筋肉に炎症が起こると、痛みが出る場合があります。口の開閉がスムーズにできなくなると、硬いものを噛んだときに顎が痛んだり、大きな食材が食べにくくなったりすることがあります。

顎関節症の症状が悪化すると、骨の可動域が狭まり、口が開かなくなることもあるため注意が必要です。また、関節円板や骨に異常が出ると、カクカク・シャリシャリといった音が鳴ることもあります。

顎関節症の原因

顎関節症は、原因別に以下の5つのタイプに分けられます。

• Ⅰ型：顎の筋肉の異常
• Ⅱ型：関節靭帯の異常
• Ⅲ型：関節円板の異常
• Ⅳ型：骨の異常
• Ⅴ型：Ⅰ〜Ⅳ型に当てはまらないもの

5つのタイプに分けられるものの、複数のタイプを患っているケースもあります。また、顎関節症の原因は筋肉や関節、骨の異常ではあるものの、生活習慣やストレスも大きく影響しているといわれています。顎関節症を引き起こす主な生活習慣は、以下の通りです。

• 歯ぎしり・食いしばりの癖
• TCH（上下の歯を噛み合わせる癖）
• 頬杖
• 猫背
• 片方の歯で噛む癖
• うつ伏せ寝・横向き寝
• スポーツや楽器などの食いしばり
• 事故などによる外傷
• ストレスや緊張

通常、上下の歯が合わさる時間は、1日のうち20分程度といわれています。

しかし、上記のような生活習慣があると、上下の歯の合わさる時間が多くなり、顎関節症を発症することがあるのです。特に、歯ぎしり・食いしばりやTCHなどの癖があると、顎関節に過大な負担がかかるため注意が必要です。

また、ストレスや緊張などの精神的な負担は、一見、顎関節症に関係ないように見えるかもしれません。

しかし、精神的な負担は体のこわばりや噛み合わせの悪化、歯ぎしり・食いしばりなどの悪習慣を招き、さらに顎関節症を悪化させることがあるのです。

顎関節症を放置するリスク

顎関節症を発症しても、症状が軽度だからと放置している方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、放置すると症状が悪化し、生活に支障をきたすことがあるので注意が必要です。重症化すると、顎関節が変形して外科手術が必要になることもあります。ここでは、顎関節症を放置するリスクについて解説します。

生活の質の低下

顎関節は、食事や会話などで常に負担がかかり続ける体の部位です。そのため、「異音がするだけだから」「我慢できる痛みだから」と放置していると、顎関節症の症状が悪化することがあります。

筋肉や関節に過度な負担がかかり続けると、顎の可動域が狭まったり、関節の動きが鈍くなったりすることがあるのです。これにより、食事や会話を楽しめなくなり、生活の質が低下する場合があります。

そのため、最初は我慢できた症状だったとしても、放置せず、なるべく早めに歯科医院を受診することが大切です。

噛み合わせの悪化

顎関節症では、左右どちらかの顎だけが痛くなるということも少なくありません。これにより、片方の歯でばかり噛むようになり、噛み合わせが悪化することがあります。また、元々よかった歯並びが悪くなることも考えられます。

噛み合わせが悪くなると、さらに顎関節に負荷がかかったり顎の位置がズレたりと、悪循環が生まれるため、早急に治療を受ける必要があります。

お顔の変形

顎関節症を放置すると、お顔がゆがみ、顔貌に影響を与えることがあります。これは、顎の位置や関節円板がズレることが原因です。また、片方の歯でばかり噛むことや噛み合わせの悪化も要因のひとつです。

精神的ストレスの増大

口をあけるときに音が鳴ったり、不調や痛みがあったりすると、精神的なストレスにもつながります。さらに、精神的ストレスが歯ぎしり・食いしばりを誘発し、さらに顎関節症を悪化させることもあるので注意が必要です。

全身の健康に悪影響が出る

顎関節を支える筋肉や骨は、頭や首、肩につながっているため、全身に悪影響を及ぼすこともあります。例えば、以下のような症状が現れることがあります。

• 頭痛
• 肩こり
• めまい
• 目の疲れ
• 耳鳴り
• 腰痛

最初はお口周りの症状だったにも関わらず、噛み合わせの悪化から頭痛や肩こり、めまいにつながることがあります。さらに、耳鳴りや腰痛といった不調にもつながり、慢性的にこのような症状が現れると、健康的な生活を送れなくなるかもしれません。

また、上記の症状がストレスになり、心の不調につながることもあります。

顎関節症を治療する方法

顎関節症は、原因が1つではありません。そのため、まずは顎関節に負荷のかかる原因を取り除くため、生活習慣を整えることが大切です。また、対症療法で顎関節にかかる負担を緩和し、症状を軽減させることもあります。ここでは、顎関節症の治療法について解説します。

スプリント療法

歯ぎしり・食いしばりが原因で、顎関節症を引き起こしている場合に有効な治療法です。就寝時に、スプリントと呼ばれるマウスピースを装着します。上下の歯が直接当たらないようにすることで、顎関節にかかる負担を軽減し、症状の改善を図ります。

また、噛み合わせや関節円板の位置を改善できるのがメリットです。

ただし、スプリント療法だけでは改善できないこともあります。根本的な原因を改善するためには、生活習慣を見直すことも大切です。

薬物療法

顎関節症により強い痛みが出ている場合は、痛み止めなどの薬を服用します。また、ストレスによる緊張状態や精神的不安がある場合には、抗うつ剤などを処方する場合もあります。

理学療法

顎の周りの血流を促し、症状の改善を図る方法です。筋肉のマッサージや温熱療法、レーザー治療などを行います。筋肉のこわばりや顎・頭周りの血流の改善を図ることで、歯ぎしり・食いしばりの改善を図ります。

矯正治療

噛み合わせが悪いことで顎関節症を発症している場合には、矯正治療を行うこともあります。噛み合わせを整えることで、顎関節症の症状が改善される場合があります。

ただし、顎の骨に異常がある場合は、スプリント療法や矯正治療だけでは改善が見込めません。このような場合は、外科治療が必要になることがあります。

生活習慣の改善

生活習慣を改善することも大切です。先述したように、生活習慣が原因で顎関節症の症状が現れている場合もあります。

例えば、頬杖や猫背などの姿勢の悪さです。姿勢が悪くなると、顔が前に突き出ることで、顎関節に負担がかかります。そのため、背中から頭にかけて真っすぐになるよう、正しい姿勢を心がけましょう。

また、精神的な不安や緊張、ストレスも顎関節症の要因のひとつです。特に、日常的にストレスを感じていると、歯ぎしり・食いしばりを誘発することがあります。

そのため、慢性的なストレスを感じている方は、心身を整えることを意識しましょう。休みの日は趣味を充実させたり、運動やストレッチで体を動かしたりすることでストレスの発散につながります。また、睡眠環境を整え、睡眠の質を高めることで、ストレスの緩和につながります。

日常的にストレスが発散できるようになれば、歯ぎしり・食いしばりが改善され、結果的に顎関節症も改善できるのです。

まとめ

生活習慣やストレスなどが原因で顎関節症の症状が現れることがあります。

最初は大した症状がなくても、放置すると顎が痛くなったり、口が開きにくくなったりすることがあります。顎関節症の症状があるにも関わらず、長期間放置すると、口が開かなくなることもあるため注意が必要です。

また、全身の健康に悪影響を及ぼす可能性もあるため「異音がするだけだから」「我慢できる痛みだから」と放置せず、早急に治療を受けることが推奨されます。

顎関節症の症状にお悩みの方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、予防歯科とマウスピース矯正に力を入れています。虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯治療、インプラント治療なども行っています。当院のホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますのでご覧ください。