こんにちは。愛知県豊橋市にある三宅歯科医院です。
子どもの歯並びや噛み合わせを整えるための小児矯正では、さまざまな装置が使用されます。成長過程にある子どもの顎の発育をコントロールしながら矯正を行うため、大人の矯正とは異なる装置や治療方法が選ばれます。
この記事では、小児矯正で使用される装置の種類と、それぞれの特徴を詳しく解説します。また、どのように装置を選べばよいのかも紹介するので、お子さまの矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。
小児矯正で使用する装置の種類

小児矯正では、子どもの成長段階や歯並びの状態に応じてさまざまな装置が使用されます。大きく分けて、可撤式矯正装置、固定式矯正装置、顎外固定装置の3種類があります。
可撤式矯正装置
可撤式矯正装置は、取り外しが可能な装置です。食事や歯磨きの際に取り外せるため、口腔内の衛生管理がしやすいのが特徴です。
しかし、装着時間が治療効果に直結するため、子ども自身の協力が必要不可欠です。
拡大床
歯列を横に広げるための装置で、歯が並ぶスペースが不足している場合に使用されます。中央のネジを定期的に回すことでプレートを広げて、歯列を拡大します。
バイオネーター
上下の顎が一体となった装置で、下顎の成長を促す目的で使用されます。特に、下顎の成長が遅れている6歳から13歳頃のお子さまに使用されることが多いです。
ムーシールド
受け口(反対咬合)の子どもに使用されるマウスピース型の装置で、3歳から使用可能です。上顎を前方に、下顎を後方に誘導し、正しい咬合を促します。
固定式矯正装置
固定式矯正装置は、歯に直接装着し患者さま自身では取り外せない装置です。常に一定の力を歯に加えることで、効果的に歯を移動させます。
クワドヘリックス
歯の裏側に装着し、ワイヤーの弾性を利用して歯列の幅を拡大する装置です。装着初期には舌に違和感を覚えることがありますが、次第に慣れていきます。
急速拡大装置
短期間で上顎の幅を拡大する装置で、上顎の骨を広げることで歯列のスペースを確保します。装置は数ヶ月から1年程度が一般的です。
リンガルアーチ
下顎の奥歯に装着し、前歯を押し出す力を加える装置です。歯列の大きさを維持する目的でも使用されます。
顎外固定装置
顎外固定装置は口腔外に装着する装置です。主に顎の成長方向や速度を調整するために使用されます。装着時間や方法については、専門医の指導に従う必要があります。
小児矯正で使用する装置の選び方

小児矯正において、適切な装置の選択は治療の効果と子どもの快適さに直結します。装置の選び方を理解するために、以下のポイントを考慮することが重要です。
子どもの成長段階
子どもの年齢や歯の発育状況は、装置選択に大きく影響します。乳歯と永久歯が混在する時期には、柔軟性のある装置を選択することが多いです。
装置の特徴と子どもの生活スタイル
装置には、固定式と取り外し可能な可撤式があります。固定式の装置では常に一定の力を加えつづけることが可能なので、矯正の効果が出やすいとされています。清掃が難しくなることがデメリットでしょう。
可撤式は食事や歯磨きの際に取り外せるため衛生的ですが、装着時間が治療効果に影響するため、子どもの協力が必要です。
子どもの協力度と保護者のサポート
可撤式装置で治療する場合、子ども自身がある程度装着時間を管理しなければなりません。保護者のサポートも不可欠で、装置の装着状況や口腔内の清潔さを日々確認することが求められます。
小児矯正のメリット

以下に、小児矯正の主なメリットを解説します。
顎の成長を利用できる
成長期の子どもは顎の骨が柔軟で成長が盛んなため、歯の移動がスムーズに行えます。これにより、痛みが少なく、子どもの負担を軽減しながら効果的な矯正が可能となります。
さらに、顎の成長をコントロールすることで、永久歯が正しい位置に生えるためのスペースを確保できます。将来的な外科的治療の必要性を減らすことも期待できるでしょう。
抜歯の必要性を減らせる
小児矯正を行えば、顎の発育を正しく導くことができて抜歯を避けられる可能性が高まります。大人になってから矯正治療が必要になっても、負担を軽減することができます。そのため、矯正を始めるタイミングが非常に重要といえます。
口腔内の健康維持につながる
歯並びが悪いと、歯と歯の間に食べ物が詰まりやすく、歯磨きがしにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。特に、子どものうちから歯並びが悪いと、食べかすが溜まりやすくなり適切なブラッシングが難しくなることがあります。
小児矯正により歯並びを整えることで、歯磨きがしやすくなり、口腔内の健康を保ちやすくなります。また、歯列が整えば噛み合わせも改善されるため、食べ物をしっかり噛むことができ、消化吸収の向上にもつながります。
さらに、歯の健康が維持されることで、将来的な治療費の負担を軽減できる可能性があります。
正しい発音と呼吸を促進する
歯並びや噛み合わせの問題は、発音や呼吸に影響を及ぼすことがあります。例えば、前歯が噛み合わない開咬(かいこう)の状態では、正しい発音が難しくなり、サ行やタ行などの発音が不明瞭になることがあります。
また、歯並びが悪いと口呼吸になりやすく、口の中が乾燥して細菌が繁殖しやすくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まります。
小児矯正を通じて歯並びを整えることで、正しい発音や呼吸法を身につけられます。特に、口呼吸が改善されることで、鼻呼吸が促進され、全身の健康にも良い影響を与えます。
鼻呼吸ができるようになると、酸素の取り込みがスムーズになり、集中力の向上や睡眠の質の改善にもつながります。
自信の向上につながる
歯並びの乱れは、子ども自身の見た目に対するコンプレックスを生むことがあります。特に、思春期になると、歯並びを気にして笑顔を見せることをためらう子どもも少なくありません。
歯並びの問題が原因で、友達とのコミュニケーションに消極的になったり、自信を失ったりすることもあります。小児矯正により美しい歯並びを手に入れることで、子どもの自己肯定感が高まり、社交的な活動にも積極的になれるでしょう。
矯正によって笑顔に自信を持てるようになれば、人との関わりを楽しめるようになるかも知れません。学校生活や習い事にも前向きに取り組むことができるようになります。
小児矯正のデメリット

小児矯正には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下に、主なデメリットを解説します。
治療期間の長期化
小児矯正は成長段階に合わせて行われるため、治療が長期間にわたることがあります。特に、1期治療(顎の成長を利用した治療)と2期治療(永久歯の矯正)を組み合わせる場合、数年に及ぶこともあります。
長期的な治療は、子どもや保護者にとって負担となる可能性があります。また、治療の進行状況によっては、予想よりも長くかかることがあり、途中でモチベーションが低下するケースもあります。
費用の負担
治療内容や使用する装置によって費用が高額になることがあります。特に、長期間の治療や高度な技術を要する場合、経済的な負担が増すことがあります。多くのケースで保険適用外となるため、事前に費用を確認し、計画的に準備することが重要です。
また、追加の治療が必要になった場合、想定以上の費用がかかることもあるため、長期的な視点で費用計画を立てる必要があります。
子どもの協力度の必要性
矯正装置の装着や日常のケアには、子どもの協力が不可欠です。特に、取り外し可能な装置の場合、装着時間を守らないと効果が得られないことがあります。また、装置の清掃や口腔内の衛生管理も重要で、これらを怠ると虫歯や歯周病のリスクが高まります。
矯正中は、食べ物の制限があることも多く、子どもが好きな食べ物を控えなければならないケースもあります。そのため、矯正治療を始める前に子どもとしっかり話し合い、治療の必要性を理解してもらうことが大切です。
まとめ

小児矯正では、子どもの成長に合わせた装置を使用し、歯並びや噛み合わせを整えていきます。使用する装置は大きく可撤式(取り外し可能)、固定式、顎外固定装置の3種類に分類され、それぞれ目的や適応症例が異なります。
装置を選ぶ際には、子どもの成長段階や歯の状態、生活スタイルを考慮することが重要です。固定式は確実な矯正効果が期待できますが、歯磨きが難しくなる場合があります。可撤式は衛生管理がしやすいものの、装着時間を守ることが求められます。
適切な装置を選ぶことで、負担を抑えながら効果的に矯正を進められます。
小児矯正を検討されている方は、愛知県豊橋市にある三宅歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、予防歯科とマウスピース矯正に力を入れています。虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯治療、インプラント治療なども行っています。当院のホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますのでご覧ください。